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「伝う〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

伝うの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
おぎん」より 著者:芥川竜之介
火炙《ひあぶ》りも何も、見そこなった遺恨《いこん》だったかも知れない。さらにまた伝うる所によれば、悪魔はその時大歓喜のあまり、大きい書物に化《ば》けながら、夜中....
妖婆」より 著者:芥川竜之介
が、待遠しいの、待遠しくないのじゃありません。算盤《そろばん》を弾く。帳合いを手伝う。中元の進物の差図《さしず》をする。――その合間には、じれったそうな顔をして....
」より 著者:芥川竜之介
彩のある夢は不健全な証拠だ」と話していた。が、わたしの見る夢は画家と云う職業も手伝うのか、大抵《たいてい》色彩のないことはなかった。わたしはある友だちと一しょに....
或る女」より 著者:有島武郎
から御覧なさい」 といった。葉子はべつに読みたくもなかったが、多少の好奇心も手伝うのでとにかく目を通して見た。 「僕は今度ぐらい不思議な経験をなめた事はない....
或る女」より 著者:有島武郎
十一時近いこのへんの町並みはいちばん静かだった。葉子はふと雨樋《あまどい》を伝う雨だれの音を聞いた。日本に帰ってから始めて空はしぐれていたのだ。部屋《へや》....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
想的にその感激を表現しているからだ。 世には多くの唖の芸術家がいる。彼等は人に伝うべき表現の手段を持ってはいないが、その感激は往々にして所謂芸術家なるものを遙....
クララの出家」より 著者:有島武郎
かけて微笑しながら自分を見守るだろう。母と女中とは前に立ち後ろに立ちして化粧を手伝う事だろう。そう思いながらクララは音を立てないように用心して、かけにくい背中の....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
やアラビア人はこの種の伝説を知らないのである。この大氾濫の原因について各種民族の伝うるところは甚だまちまちである。氷雪の融解によるとするもの(スカンジナビア人)....
唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
た、お道さんが手を添えながら、顔を見ながら、搦んで、縺れて、うっかりしたように手伝う姿は、かえって、あの、紫の片袖に魂が入って、革鞄を抜けたように見えました。 ....
伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
寂莫として、ただ夫人のものいうと響くのが、ぶるぶると耳について、一筋ずつ髪の毛を伝うて動いて、人事|不省ならんとする、瞬間に異ならず。 同時に真直に立った足許....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
栄螺の形に切崩した、処々足がかりの段のある坂を縫って、ぐるぐると駈けて下り、裾を伝うて、衝と高く、ト一飛低く、草を踏み、岩を渡って、およそ十四五分時を経て、ここ....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
たる人々を通じて、真理を人間界に伝えるのであるから、その教は完全円満、永遠不朽に伝うべきである。曰く経典は悉く神自身の直接の言葉であるから、これに対して、一言半....
瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
なりしも、爾来今日に至るまで深く筐底に秘して人に示さざりしに、世間には往々これを伝うるものありと見え、現に客冬刊行の或る雑誌にも掲載したるよし(栗本鋤雲翁は自か....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
、適当な実験の方法を見出せないためだと思って、繰り返し繰り返し考案をめぐらした。伝うる処によれば、この頃ファラデーは、チョッキのかくしに電磁回線の雛形を入れて持....
茸をたずねる」より 著者:飯田蛇笏
えて登って行く。汗がいち早く頸のほとりを湿してくる。次いで額から湧き出でて両頬を伝うて流れ下るようになる。拭っている暇がない。暇がないというよりは寧ろ拭い去る必....