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「伝来〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

伝来の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
不快だった。しもた家の多い山の手を始め小綺麗《こぎれい》な商店の軒を並べた、江戸伝来の下町も何か彼を圧迫した。彼は本郷や日本橋よりも寧《むし》ろ寂しい本所を――....
野呂松人形」より 著者:芥川竜之介
うのもあるそうだ。もっとも中で有名なのは、青頭でね。これは、元祖から、今の宗家へ伝来したのだと云うが……」 生憎《あいにく》、その内に、僕は小用《こよう》に行....
魚河岸」より 著者:芥川竜之介
店は卓も腰掛けも、ニスを塗らない白木《しらき》だった。おまけに店を囲う物は、江戸伝来の葭簀《よしず》だった。だから洋食は食っていても、ほとんど洋食屋とは思われな....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
化の進んだ時代まで保存されてきた。その間に次第に人間の教養は高くなってきても祖先伝来のこれらの考え方に対する畏敬の念は、これらの神話を改作したり、また進歩した観....
白金之絵図」より 著者:泉鏡花
吸を練り、気を鍛え、やがて、件の白蔵主。 那須野ヶ原の古樹の杭に腰を掛け、三国伝来の妖狐を放って、殺生石の毒を浴せ、当番のワキ猟師、大沼善八を折伏して、さて、....
灯明之巻」より 著者:泉鏡花
で。…… 三 西明寺――もとこの寺は、松平氏が旧領石州から奉搬の伝来で、土地の町村に檀家がない。従って盆暮のつけ届け、早い話がおとむらい一つない....
亡び行く江戸趣味」より 著者:淡島寒月
は用いた。これは今でも一の関辺へ行くと遺っている。 ◇ 支那から伝来して来た竹紙という、紙を撚合せて作った火縄のようなものがあったが、これに点火....
梵雲庵漫録」より 著者:淡島寒月
ということは、俳諧の季題にある印地打ということなので、この風習は遠い昔に朝鮮から伝来したものらしく、今でも朝鮮では行われているそうだが、それが五月の行事となった....
余裕のことなど」より 著者:伊丹万作
の瞬間において最も尊厳なる光芒を発揮するていのものである。 そもそも我々の父祖伝来の大和心というものは私が右に述べたような意味における余裕の精神に充ち満ちたも....
遠野の奇聞」より 著者:泉鏡花
を思うに、人界に触れたる山魅人妖異類のあまた、形を変じ趣をこそ変たれ、あえて三国伝来して人を誑かしたる類とは言わず。我国に雲のごとく湧き出でたる、言いつたえ書き....
式部小路」より 著者:泉鏡花
この意気なればこそ、三日握り詰めたお夏の襟をそった剃刀に、鎮西五郎|時致が大島伝来の寐刃を合わせたとはいえ、我が咽喉ならばしらず、いかで誤ってお夏の胸を傷つけ....
註文帳」より 著者:泉鏡花
わないから、出来るだけ仕事をさせろ。愚図々々|吐すと、処々に伏勢は配ったり、朝鮮伝来の地雷火が仕懸けてあるから、合図の煙管を払くが最後、芳原は空へ飛ぶぜ、と威勢....
雪柳」より 著者:泉鏡花
金だ、万世橋を覚えたまえ、求肥製だ、田舎の祭に飴屋が売ってるのとは撰が違う、江戸伝来の本場ものだ。黒くて筋の入ったのは阿蘭陀煉、一名|筏羊羹。おこしを食うのに、....
迷信解」より 著者:井上円了
き書物に見えておるからは、千年以前より伝わりておるように思う。その源はたとえシナ伝来にもせよ、わが国にていろいろつけ加えたことが多い。その上に、妖怪も国々の人情....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
のこと起こり、欧州の人民ただちにアラビア、インド等の新文物に接し、これをその国に伝来し、加うるに当時ギリシアの古文学再興せるをもって、新旧相合して文明の新元素を....