伝染[語句情報] »
伝染
「伝染〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
伝染の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「彼 第二」より 著者:芥川竜之介
った。のみならず僕は彼がうたった万葉集《まんようしゅう》の歌以来、多少感傷主義に
伝染していた。
「ニニイだね。」
「さもなければ僕の中の声楽家だよ。」
彼はこ....
「二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
しょう。たとえば、閣下の使用せられる刑事の中にさえ、閣下の夢にも御存知にならない
伝染病を持っているものが、大勢居ります。殊にそれが、接吻《せっぷん》によって、迅....
「或る女」より 著者:有島武郎
そうおっしゃらずにどうかわたしをあなたのおそばに置かしてください。わたし、決して
伝染なぞを恐れはしません」
岡は倉地の手紙を読んではいないのに葉子は気がついた....
「星座」より 著者:有島武郎
分の家に帰ると、清逸は一人の高慢な無用の長物にすぎないのだ。しかもそれは恐ろしい
伝染性の血を吐く危険な厄介物《やっかいもの》でもあるのだ。朋友の間には畏敬《いけ....
「映画と癩の問題」より 著者:伊丹万作
す(癩)になでられたかわからんぞ。もうお前にはどすがうつったはずじゃ。どすは空気
伝染じゃぞ。」 私はあおくなってそこの小川で手を洗うやら一人で大騒ぎをやったが....
「湯女の魂」より 著者:泉鏡花
と逆様に立った。お小姓はそれッきり。 さあ、お奥では大騒動、可恐しい大熱だから
伝染ても悪し、本人も心許ないと云うので、親許へ下げたのだ。医者はね、お前、手を放....
「幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
ここまではどうにかうまくいきました。こんどは町人のひとりが、三年まえ流行した
伝染病の話をしだしました。ただそれは一四八四年の話でした。参事官はそれを一八三〇....
「「吶喊」原序」より 著者:井上紅梅
としてはただ、自分の若い時と同じく現在楽しい夢を作る青年達に、あの寂寞の苦しみを
伝染させたくないのだ。 こんな風に説明すると、芸術に対するわたしのこの小説の距....
「頭髪の故事」より 著者:井上紅梅
一緒に交って講堂に登るに任せた。 さはさりながらこの髪斬病《かみきりびょう》は
伝染した。三日目には師範学堂の学生がたちまち六本の辮子を剪り落した。晩になると六....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
てくるのだ。この魔力がひとを夢や空想におとしいれる雰囲気を吐きだし、それが一面に
伝染するのだ。スリーピー・ホローの住民も数人ヴァン・タッセルの邸に来ており、例に....
「瘤」より 著者:犬田卯
日にあげずにその辺をうろつき廻り(たとえばどこの田圃の石橋はどうなっているとか、
伝染病の予防施設がどうとか、そんなちょっとした通りがかりにも調べられるようなこと....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
時、優しい言も掛けられて、苦い薬でも飲ましてもらおうと思えば、何だ、トラホームは
伝染るから実家へ帰れ! 馬鹿野郎、盲目になってボコボコ琴でも弾きやがれ。何だ、妹....
「迷信解」より 著者:井上円了
水を変じてただちに神となし薬となすことのできぬは、分かりきったことである。これを
伝染病にあれ痼疾にあれ、何病にも用いて効能あるように思うは愚の至りではないか。御....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
人の心中にヤソ教の思想を注入すれば、その思想、これによりて養育するところの小児に
伝染するは必然なり。すでに婦人と小児とともに、その心ヤソ教海の水に浴するときは、....
「西航日録」より 著者:井上円了
余、寓舎に帰り、校長に語るにその実況をもってし、かつこのストライキの悪風わが国に
伝染し、ひとり職工のみならず、一、二の学校においては、生徒のストライキを演ずるを....