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伝染性
「伝染性〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
伝染性の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
分の家に帰ると、清逸は一人の高慢な無用の長物にすぎないのだ。しかもそれは恐ろしい
伝染性の血を吐く危険な厄介物《やっかいもの》でもあるのだ。朋友の間には畏敬《いけ....
「船医の立場」より 著者:菊池寛
の一人がランプの光で字を認《したた》めているときに、その手指に無数に発生していた
伝染性腫物のことを思い出した。 「私は船医の立場から、ただ一言申しておきたい。彼....
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
》のため赴いたという事実である。するとそれからは、たとえそれが、遺伝性であろうと
伝染性であろうと、また胎中発病が、あり得ようがあり得まいが、もうそんな病理論など....
「透明猫」より 著者:海野十三
と、かならずその人のからだがやがてもうろうとなって透明化することが分った。つまり
伝染性があるのだ。 大きな恐怖がひろがっていった。だが、このさわぎは、事件発生....
「草藪」より 著者:鷹野つぎ
年足らずで十八歳の春には病いを発した。 長兄の家へ戻ってくると、とよ子の病気が
伝染性のものと知って、嫂の恐れ方は一通りでなかった。自分の子供を一歩も近づけず、....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
が書道に一時間凝れば、一時間だけ自分は不善の閑境から救われる、その周囲は、不善の
伝染性から遁《のが》れるという勘定になっていて、主膳自身はそれを覚りません。 ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
に来た者が、知らず知らず興に乗って、自らが踊りの人とならないのはありません。その
伝染性の速かなことは、電波のようであります。 一よさ、踊りの味を占めたものは、....
「東山時代における一縉紳の生活」より 著者:原勝郎
るものは、ある意味において伝染病と同様であって、同じ伝染病でも時と場合によって、
伝染性の強弱一様でないごとくに、本質を同じくする文明でも、時代によってその波及力....
「電車と風呂」より 著者:寺田寅彦
よりも一層気持の悪い笑いである。これらの沢山の不愉快な顔が醸す一種の雰囲気は強い
伝染性を持っていて、外から乗り込んで来る人の心に、すぐさま暗い影を投げないではお....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
。彼は慄《ふる》え上がった。それらの恐ろしいことが頭に刻み込まれた。とくに病気は
伝染性のものであるということを耳に止めた、言い換えれば、自分もまた同じようにして....
「肝臓先生」より 著者:坂口安吾
く腫れているモロモロの肝臓をつぶさに観察し、一方に慢性的な進行性と、一方に甚しい
伝染性のあることを突きとめた。家族の一人がこの肝臓炎に犯されると、数年のうちに、....
「女大学評論」より 著者:福沢諭吉
とするに足らず。第五癩病の如き悪疾あれば去ると言う。無稽の甚しきものなり。癩病は
伝染性にして神ならぬ身に時としては犯さるゝこともある可し。固《もと》より本人の罪....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
のはないのである。 蘇格蘭《スコットランド》では、通常の場合と同様に、伝染病と
伝染性疾患とは主として貧民を襲っている。壊血病はある地方では極度に厄介で頑固であ....
「決闘」より 著者:神西清
したラエーフスキイを、一ダアスもこの世に送り出す危険性がある。第二に、奴は高度の
伝染性を持っている、ヴィントや麦酒のことはさっき言ったとおりだ。もう二年もすれば....
「体格検査」より 著者:小酒井不木
かりそうだのにと思いました。二銭銅貨大の禿のあることが何故悪いのでしょう。それが
伝染性のものででもあったならば、或は不合格を宣言されても然るべきでありますが、私....