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伝聞
「伝聞〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
伝聞の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
に叙説《じょせつ》している暇《いとま》がない。ただそれは、当時の天主教徒の一人が
伝聞した所を、そのまま当時の口語で書き留めて置いた簡単な覚え書だと云う事を書いて....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
島から引き取って来た。 宿村へ仰せ渡され候書付 「方今の御時勢、追い追い
伝聞いたしおり申すべく候えども、上方辺の騒動容易ならざる事にこれあり、右残党諸所....
「連環記」より 著者:幸田露伴
駈通るような文章を作る男だけに、檀弓は六国の人、檀弓一篇は礼記に在りと雖も、もと
伝聞に出ずるもので、多く信ず可からず、というような論は、云えば云えぬでは無いが、....
「後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
した、それきりさア、誰もその熊が怖かねえッて其の山へ往く者アありやせんよ」 と
伝聞の儘を物語りました。 四十 文「御亭主、それは何時頃の事ですか」 主....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
いて、ここに少しく書いてみよう。もし他日これを読む人があったならば、これは臆測や
伝聞によって書いたものではなく、正気の、しかも教育あるわたしが、自分の眼前に現に....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
かかった。 「おおそうか、さてはお二人、兄妹お二人敵討ちの旅に、お出でなされたと
伝聞したが、その敵の水品陣十郎に、おおそうか、さてはここで、お出逢いなされて切り....
「越後の闘牛」より 著者:佐藤垢石
いる。これは、随筆北越雪譜の著者南魚沼郡塩沢の里長鈴木牧之から庚辰三月二十五日に
伝聞した実況で、牧之は村政や筆硯多忙のために、雪譜中へ闘牛記を収めることができな....
「赤げっと 支那あちこち」より 著者:国枝史郎
ことを「アラビアンナイトに出て来る幻の都会のように美しい」と讃嘆したということを
伝聞したが、僕も同じ讃嘆を捧げようと思う。実際そんなにも美しいのだよ。色彩が豊富....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
じて鉱山用のドンドロを合せたなどは、ほんの人寄せの前芸に過ぎない。その技工の妙を
伝聞して、当時の藩主の命じて刻ましめた、美しき小人の木彫は、坐容立礼、進退を自由....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
をたよりに、見るまま聞くままをそれからそれへと語り続けたのであるから、その中には
伝聞の誤謬などがないとは限らない。それはあらかじめ断わって置く。 ここに語られ....
「奥州における御館藤原氏」より 著者:喜田貞吉
、果して秀衡がこれに応ずべきか否かは京都において疑問であった。同月一日の条にも、
伝聞、秀平可。 とある。しかもまた十七日条には、
伝聞、秀平為。 などと都合の....
「道鏡皇胤論について」より 著者:喜田貞吉
、歴史に素養なき人々の間にもそれが評判となり、中には本書を通読することなくして、
伝聞に訛伝を加えた場合が多かったらしく、道鏡は皇位覬覦という様な不軌を図ったもの....
「間人考」より 著者:喜田貞吉
ウトと呼んで、幕末までもまだその身分が認められていたそうである。ただしこれは単に
伝聞のみで自分は未だ詳細な記録的例証を知らない。願わくば同地の博識の報告を得たい....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
かにこの若宰相の心に起ったに相違ないです。そういう話がその人の口から折々出た事も
伝聞しましたからそれは間違いない。テンゲーリンのテーモ・リンボチェが位を今の法王....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
毛虫の類なりという。以上、深く内部に入らざるをもって、自ら実視せるにあらず、ただ
伝聞のままをここに録するのみ。 本年は春花を見て国を去り、途上盛夏の大暑をおか....