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估券
「估券〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
估券の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
りましたが、何でも一旦微禄した家を、故郷に打っ開けて、村中の面を見返すと申して、
估券潰れの古家を買いまして、両三年|前から、その伜の学士先生の嫁御、近頃で申す若....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
報いよなんどと。白い眼をされ舌さし出され。うしろ指をば指さるる辛らさ。御門構えの
估券にかかわる。そこで情実、権柄ずくだの。縁故|辿った手数をつくして。赤い煉瓦へ....
「残されたる江戸」より 著者:柴田流星
と一々は数え切れず、それでもこれらの店には今も家伝の名物だけは味を守って、老舗の
估券をおとすまいとしているが、梅園の汁粉に砂糖の味のむきだしになったを驚き、言問....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
ルの主人は、この名高い女流音楽家をほかの宿屋にとられることが、どれだけ自分の店の
估券にかかわるかをよく承知しているので、平気でそれを引受けた。 「承知仕りました....
「マダム貞奴」より 著者:長谷川時雨
芸妓にはしゃがしてもらいにきはしない。そこで、浮気なのはよいが、慾に迷えば芸妓の
估券《こけん》は下ってしまう。大事な客は一人と極《き》めてその人の顔をどこまでも....
「巷説享保図絵」より 著者:林不忘
ないでおくれよ、あたしみたいな素寒貧《すかんぴん》の女を相手にしちゃあ、磯五様の
估券《こけん》にかかるじゃあないか」
四
「馬鹿! おめえは何か....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
すり硝子の燈に、頸あしをくっきりと浮かして、ごらんなさい、それだけで、私のうちの
估券がグッと上りまさね。 兜町の、ぱりぱりしたのが三四人、今も見物で一所ですが....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
胴裏が絵甲斐機じゃア郡役所の書記か小学校の先生|染みていて、待合入りをする旦那の
估券に触る。思切って緞子か繻珍に換え給え、」(その頃|羽二重はマダ流行らなかった....