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「伸びやか〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

伸びやかの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
語られざる哲学」より 著者:三木清
ということである。一言にしていえば彼らの心は拗《す》ねている。 けれど私たちが伸びやかな心を回復すべき時は来た。私たちの心では驚きと愛と夢とが純粋にそして健康....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
、からだ全体をやや斜めにして、大きな水の渦に乗った枯れ葉のように、その鷲は静かに伸びやかに輪を造っている。山が物言わんばかりに生きてると見える君の目には、この生....
旅愁」より 著者:横光利一
の位とを具えていた。こういう垢脱けのした人物は一番恐るべき人で、また気兼ねのない伸びやかさを人に与えるものだった。 「どうも疲れた。いっぱいお茶を飲みたいが、一....
病院の夜明けの物音」より 著者:寺田寅彦
今まで針のように鋭くなっていた自分の神経は次第に柔らいで、名状のできない穏やかな伸びやかな心持ちが全身に行き渡る。始めて快いあくびが二つ三つつづけて出る。ちょう....
“子供の本”について」より 著者:宮本百合子
まりどっさりの内容をつめこもうとして、絵でも実にこせついていて、子供らしい感覚の伸びやかさが無視されていることである。 うちの小さい甥は、フクチャンに絶大の親....
めでたき風景」より 著者:小出楢重
た現代の息子や娘を眼下に見下ろす時代が来ることでしょう。 そしてその足はいとも伸びやかにのびのびと伸び上がって、その先端の小さな靴は男の心に美しい悩みを与える....
ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
者にそれをもらすべきときでない。とにかく花はさき花は散り、月日は青春の希望と共に伸びやかに輝きながらうつりゆく。柳光一は四年生になった。 そのころ学校内で奇怪....
長崎の印象」より 著者:宮本百合子
いところに建てられている故か、大切な柱廊が、その通景に余韻を生ぜしむるだけ堂々と伸びやかに横わっていない。浅く、ただ礼拝する寺で、精神の活躍する場所として必要な....
あとがき(『伸子』第一部)」より 著者:宮本百合子
で自分を生かして来た環境の、プラスもマイナスもくいつくした。もっと自然に、もっと伸びやかな人間らしさを求めるためには、自身の生きる社会環境を変え、人生と文学との....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
よくなって、公平に見て、こんな単純な体のつかれと、今の暮しかたから得ている心持の伸びやかさ、合理さ、食事の合理性と、釣りかえにならぬプラスがあると思います、この....
野ざらし」より 著者:豊島与志雄
社から雑誌を送ってきました。読んでみると、僕の話した事柄が、可なり要領よくそして伸びやかな筆致で書いてありました。これなら上乗だと僕は思いました。すると、丁度そ....
同感」より 著者:豊島与志雄
狭い檻や籠や水器にではない。少くとも見た目に彼等の不自由を感じないほどの場所に、伸びやかに放ち飼いにして、その中に自分をも置きたい。――そういうことを云うと、誰....
地上」より 著者:島田清次郎
放されて、かなり広い贅沢な段通や屏風や柔らかい蒲団類の豊饒の中に、かの天野栄介は伸びやかに身を横たえていた。かつて金沢の古龍亭で受けた豪勢な威圧的な力は感じられ....
双面獣」より 著者:牧逸馬
なぎこちなさの中にも、十三、四歳程度の、もう何処となく女に近いことを想わせる幾分伸びやかな線が見られた。栗色の断髪、乳房のない平べったい胸部、まだ脂肪の乗らない....
女の顔」より 著者:上村松園
顔の時代変遷 美人絵の顔も時代に依って変遷しますようで、昔の美人は何だか顔の道具が総体伸びやかで少し間の抜けたところもあるようです。先ず歌麿以前はお多福豆のような顔で....