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似而非
「似而非〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
似而非の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
《ふるみ》というようなものをありがたがる風流人と共通したような気取りがある。その
似而非《えせ》気取りを葉子は幸いにも持ち合わしていないのだと決めていた。葉子はこ....
「星座」より 著者:有島武郎
場からも救いだした。
「戸沢は夢でも見たんだろう。……あ、解った。戸沢はその男の
似而非者《にせもの》に遇ったんだな。その男のことが先生の生れた釧路の方で評判にな....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
してやろう、とおっしゃって下すった、先生御夫婦のお志。掏摸の野郎と顔をならべて、
似而非道学者の坂田なんぞを見返そうと云った江戸児のお嬢さんに、一式の恩返し、二ツ....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
然な結果を生ずるであろうよ。第一この制度の強制的存在のために、家族生活の神聖は、
似而非なる家族の交雑によって著しく汚される。愛なき男女の結合を強制することは、そ....
「血の文字」より 著者:黒岩涙香
と是だけ言て息を継ぐ、余が返事の出ぬを見、細君は少し気の毒と思いし如く「尤も女の
似而非理屈とか云う者でしょう、素より現場も見ませんで、真逆当りは仕ませんけれど既....
「骨董」より 著者:幸田露伴
の音転などという解は、本を知らずして末に就いて巧解したもので、少し手取り早過ぎた
似而非解釈という訳になる。 また、蘇東坡が種※の食物を雑え烹て、これを骨董羮と....
「恋愛曲線」より 著者:小酒井不木
、人類に対する至上の愛を以て活動しつゝあるのであって、従って、真の科学者には――
似而非科学者はいざ知らず……恐らく、誰よりも温かい血が流れて居るべき筈である。実....
「ルクレチウスと科学」より 著者:寺田寅彦
味のわからない言葉の中からはあらゆる意味が導き出されることは事実である。狡猾なる
似而非予言者らは巧みにこの定型を応用する事を知っている。しかしルクレチウスは彼の....
「田丸先生の追憶」より 著者:寺田寅彦
らりと自分のほうを見ながら、にこにこして「しかし、惜しい事には……」と言ってその
似而非説明の大きなごまかしの穴を指摘しておいて、さて、丁寧に先生の本物の説明を展....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
を禁じ得ぬ。 次にわれ等の教に反対する者の中で、最も取り扱い難いのは、実にかの
似而非科学者である。彼等は自分自身の媒体を通じてのみ事物を観察し、そして自分自身....
「映画雑感（Ⅶ）」より 著者:寺田寅彦
いる。その意味は、こうしたものの内容には、一面においては人為的、不自然、不純真、
似而非、贋造といったようなあまりかんばしくない要素を含んでいるが、また一面におい....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
者の指揮に待つを常とするから画家は従位にあって主位に居るべきものではない。豊国の
似而非高慢が世間の評判を自分の手柄に独占しようとするは無知な画家の増長慢としてあ....
「ドモ又の死」より 著者:有島武郎
誓う。 花田 俺たちは力を協せて、九頭竜という悪ブローカーおよび堂脇という
似而非美術保護者の金嚢から能うかぎりの罰金を支払わせることを誓う。 一同 誓う....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
がら画名を売るを欲しないで、終に一回の書画会をだも開かなかったというは市井町人の
似而非風流の売名を屑しとしない椿岳の見識であろう。富有な旦那の冥利として他人の書....
「囚われたる現文壇」より 著者:小川未明
であるから現実に徹することは、自己の生活に徹するに外ならないのである。もし其処に
似而非現実主義というものがあると仮定すれば、それは自己のない生活である。個性のな....