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似顔
「似顔〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
似顔の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
いのです。殊に今の洋服を着た菊五郎などは、余りよく私の友だちに似ているので、あの
似顔絵《にがおえ》の前に立った時は、ほとんど久闊《きゅうかつ》を叙《じょ》したい....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
ばならぬ。
又
わたしはいつか東洲斎写楽《とうしゅうさいしゃらく》の
似顔画を見たことを覚えている。その画中の人物は緑いろの光琳波《こうりんは》を描い....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
の気分の影響は、広間全体をどっしりと重いものに見せて来た。根のいいロシア人の即席
似顔画描きが、隣のキャフェ・ル・ドームを流した後らしく、入って来て、客の気分を見....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
枚つづきもある。各劇場の春狂言が早くきまっている時には、先廻りをして三枚つづきの
似顔絵を出すこともある。そのほかにいろいろの双六も絵草紙屋の店先にかけられる。そ....
「一坪館」より 著者:海野十三
、一坪店から、通りの方へ大きな声でさけんだ。犬山猫助は、今朝からこの銀座通りへ、
似顔スケッチの店をひらいたのである。彼は、源一にすすめて、源一もこの表通りへ出て....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
雑誌の編輯でも、女というと優待するよ。――年方の挿絵でね、編中の見物の中に月村の
似顔の娘が立っている。」 「素晴しいね。早速捜そう。」 「見るんなら内にあるよ。....
「凧の話」より 著者:淡島寒月
いたが、誠にいい気分のものであった。またこの秩父屋の奴凧は、名優|坂東三津五郎の
似顔で有名なものだった。この秩父屋にいた職人が、五年ばかり前まで、上野のいとう松....
「私の活動写真傍観史」より 著者:伊丹万作
山館のほうを多く見、四年五年ごろは世界館のほうを多く見た。五年のころには松之助の
似顔絵が上手になり、友だちなどに見せて得意になつていた。
似顔をよく似せるため....
「あのころ」より 著者:上村松園
代のことで、ランプを往来にかかげて夜店を張っている。その前に立って、芝居の役者の
似顔絵や、武者絵などを漁っている自分の姿をときどき憶い出すことがありますが、あの....
「ガルスワーシーの家」より 著者:岡本かの子
女達になってお互いにこそこそ用事の話を始めた。 此の有名な漫画家の描いた文豪の
似顔画はあまり出来のいいものではなかった。臆した堅苦しい写生の上に無理に戯画的の....
「ドーヴィル物語」より 著者:岡本かの子
贅沢品屋は防火扉をおろしてまだ深々と眠って居た。扉に白いチョークで、西班牙皇帝の
似顔絵が拙く楽書きされて居る。自国の乱れた政情の間を潜って、時々陛下は茲へ遊びに....
「夫人利生記」より 著者:泉鏡花
一目散に停車場へ駈つけて、一いきに東京へ遁げかえる覚悟をして言った。 「御新姐の
似顔ならば本懐です。」―― 十二月半ばである。日短かな暮方に、寒い縁側の戸を引....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
十郎の部屋――芝居の改良はこれから――芝居の飲食物――外国人の書面――後代の面目
似顔絵と双六 「霜夜鐘十字辻筮」――芝居の草双紙――絵双紙屋――春近しの感――六....
「魂の喘ぎ」より 著者:大倉燁子
た事はかえすがえすも遺憾です。それでせめてもの心やりに懇意な人形師に頼み、公高の
似顔をつくらせ、それを時折眺めに信託にまいり、僅かに慰めていたのです。 藤原冴子....
「情鬼」より 著者:大倉燁子
かなかったの? あれや人形ですよ」 「えッ。人形?」 私はぞっとした。 「あの
似顔なかなかよく出来ていましたね」 「じゃ宮本夫人が持っていたあのほの白い棒、あ....