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伽
「伽〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
伽の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
、今では、越《こし》の国の人が見るという蜃気楼《かいやぐら》のように、塔の九輪や
伽藍《がらん》の屋根を、おぼつかなく光らせながら、ほのかな明るみと影との中に、あ....
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
大抵は十時には床に就くことにしていた。その後でもまだ起きているのは九時前後から夜
伽《よとぎ》をする看護婦の甲野ばかりだった。甲野は玄鶴の枕《まくら》もとに赤あか....
「春」より 著者:芥川竜之介
きょう》も制服の上に狐色《きつねいろ》になったクレヴァア・ネットをひっかけ、この
伽藍《がらん》に似た部屋の中をぶらぶら一人《ひとり》歩いていた。広子は彼の姿を見....
「報恩記」より 著者:芥川竜之介
ったのです。勿論何のためだったかは、註を入れるにも及びますまい。殊にその頃は摩利
伽《まりか》へでも、一時渡っているつもりでしたから、余計に金《かね》の入用もあっ....
「不思議な島」より 著者:芥川竜之介
の船も五六日は碇泊《ていはく》しますから、ぜひ見物にお出かけなさい。大学もあれば
伽藍《がらん》もあります。殊に市《いち》の立つ日は壮観ですよ。何しろ近海の島々か....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
うなごん》に、御弟子入《おでしいり》をなすっていらっしゃいました。この少納言は、
伽陵《がりょう》と云う名高い笙と、大食調入食調《だいじきちょうにゅうじきちょう》....
「水の三日」より 著者:芥川竜之介
のは三時ごろである。
鼠色《ねずみいろ》の壁と、不景気なガラス窓とに囲まれた、
伽藍《がらん》のような講堂には、何百人かの罹災民諸君が、雑然として、憔悴《しょう....
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
《まごしち》の家《いえ》へはいって来た。孫七の家には大きな囲炉裡《いろり》に「お
伽《とぎ》の焚《た》き物《もの》」の火が燃えさかっている。それから煤《すす》びた....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
《あざやか》な記憶である。彼はその思い出の中に、長蝋燭《ながろうそく》の光を見、
伽羅《きゃら》の油の匂を嗅ぎ、加賀節《かがぶし》の三味線の音《ね》を聞いた。いや....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
が、ちょいと苦笑したぎり、何ともそれには答えなかった。
「洋ちゃん。お前今夜|夜
伽《よとぎ》をおしかえ?」
しばらく無言が続いた後、浅川の叔母は欠伸《あくび》....
「猿蟹合戦」より 著者:芥川竜之介
う云う運命に逢着《ほうちゃく》したか、それを話すことは必要である。なぜと云えばお
伽噺《とぎばなし》は全然このことは話していない。
いや、話していないどころか、....
「少年」より 著者:芥川竜之介
い出した。この仏蘭西《フランス》人の笑う様子《ようす》はちょうど人の好《い》いお
伽噺《とぎばなし》の中の大男か何かの笑うようである。少女は今度はけげんそうに宣教....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
を教えに来られたのじゃ。大般涅槃《だいはつねはん》の御時《おんとき》にさえ、摩訶
伽葉《まかかしょう》は笑ったではないか?」
その時はわたしもいつのまにか、頬《....
「三つのなぜ」より 著者:芥川竜之介
の午後、ファウストは林檎を見ているうちに一枚の油画を思い出した。それはどこかの大
伽藍にあった、色彩の水々しい油画だった。従って林檎はこの時以来、彼には昔の「智慧....
「三つの宝」より 著者:芥川竜之介
よくそう云ってくれました。わたしも悪魔ではありません。悪魔も同様な黒ん坊の王は御
伽噺にあるだけです。(王子に)そうじゃありませんか? 王子 そうです。(見物に向....