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伽話
「伽話〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
伽話の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
のように集まった。葉子がそういう人たちをかたみがわりに抱いたりかかえたりして、お
伽話《とぎばなし》などして聞かせている様子は、船中の見ものだった。どうかするとサ....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
く撮み出した、指の爪の長く生伸びたかと見えるのを、一つぶるぶると掉って近づき、お
伽話の絵に描いた外科医者という体で、震く唇に幽に見える、夫人の白歯の上を縫うよ。....
「海の使者」より 著者:泉鏡花
ね」 「いずれ怪性のものです。ちょいと気味の悪いものだよ」 で、なんとなく、お
伽話を聞くようで、黄昏のものの気勢が胸に染みた。――なるほど、そんなものも居そう....
「縁結び」より 著者:泉鏡花
堂にゃ、古から評判の、鬼、」 「ええ、」 とまた擦寄った。謙造は昔懐しさと、お
伽話でもする気とで、うっかり言ったが、なるほどこれは、と心着いて、急いで言い続け....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
はなけれど、この恋の行方は分らない。が、対手が牛乳屋の小僧だけに、天使と牧童のお
伽話を聞く気がする。ただその玉章は、お誓の内証の針箱にいまも秘めてあるらしい。…....
「眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
が。――実は、雪の池のここへ来て幾羽の鷺の、魚を狩る状を、さながら、炬燵で見るお
伽話の絵のように思ったのである。すわと言えば、追い立つるとも、驚かすとも、その場....
「デンマルク国の話」より 著者:内村鑑三
ァルセンを出して世界の彫刻術に一新紀元を劃《かく》し、アンデルセンを出して近世お
伽話《とぎばなし》の元祖たらしめ、キェルケゴールを出して無教会主義のキリスト教を....
「赤い船のお客」より 著者:小川未明
はわき出たように、赤い船が青い海の波間に浮かんでいたのであります。 二郎は、お
伽話にでもあるように、美しい船だと思いました。 そして、どこからこんな船が、こ....
「若草物語」より 著者:オルコットルイーザ・メイ
エミイはわるいことをしたと思いました。けれど、ジョウの原稿は、五六篇のかわいいお
伽話でしたが、文学的才分と全精力を数年間かたむけて書いたもので、ジョウにとっては....
「城のある町にて」より 著者:梶井基次郎
世と離れた生活を営んでいる。――そんなような所にも思える。とはいえそれはあまりお
伽話《とぎばなし》めかした、ぴったりしないところがある。 なにか外国の画で、あ....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
に告げざる者は財産を没収されるものである、ということを子々孫々によく知るようにお
伽話のようにして親達が子供に話をするものですからどこへ行っても其事を知って居る。....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
「酒場」になぞ持って来ると、美和子はいよいよ天成のコケットだった。幼い時から、お
伽話と実際の差別がつかなかったり、人前に立ってワイワイもてはやされると、いよいよ....
「母の話」より 著者:岸田国士
ういうものに生命を吹きこみ、話をさせる術を心得ていた。つまり彼女は、たくまないお
伽話の作者だった。母はいろいろなお話をして、僕を楽しませてくれたが、自分ではなん....
「玄海灘密航」より 著者:金史良
思う。玄海灘を挟んでの密航と云えば、旅行券のない朝鮮の百姓達が絶望的になって、お
伽話のように景気のいいところと信じている内地へ渡ろうと、危かしい木船や蒸気船にも....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
ます。あの名がなんといたしました。
メフィストフェレス
あれはな、もうお
伽話に書かれてから久しゅうなる。
そのくせ人間のためには好くはならない。
一人の....