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位相
「位相〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
位相の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「日常身辺の物理的諸問題」より 著者:寺田寅彦
。すなわち振動体の減衰するエネルギーを弓の仕事で補給する、その補給の回数と適当な
位相とを振動体の振動自身が調節するというのである。この点では実際ラジオなどに使う....
「疑問と空想」より 著者:寺田寅彦
る勘定である。従って鳥の地上高度によって第一声前半の反響とその後半とがいろいろの
位相で重なり合って来る。それで、もしも鳥が反響に対して充分鋭敏な聴覚をもっている....
「Liber Studiorum」より 著者:寺田寅彦
らなくなるのである。時代は進むばかりであとへはもどらないはずであるが、時代の波の
位相のようなものはほぼ同じことを繰り返すのかもしれない。しかしただ繰り返すだけで....
「「手首」の問題」より 著者:寺田寅彦
感に弦の振動状態に反応して、ちょうど弦の要求するエネルギーを必要にしてかつ有効な
位相において供給しなければならない。この微妙な反応機巧は弦と弓とが一つの有機的な....
「蒸発皿」より 著者:寺田寅彦
はそれぞれ八階と四階のへんにいるほうがよさそうに思われる。換言すれば週期的運動の
位相がほぼ等分にちがっているほうが乗客の待ち合わせる時間を均等にし従って乗客の数....
「火星探険」より 著者:海野十三
く》平穏《へいおん》に送ったのであった。その間に、火星の表面は、すこしばかり西へ
位相を変えた。火星の極冠は、いつも眩《まぶ》しく、一つ目小僧の目のように輝いてい....
「貞操について」より 著者:宮本百合子
女性と青年たちである。 真実の愛に立たない分別ある結婚から、男も女もやがてどの
位相手をあざむき、自身をごまかす副次結婚や恋愛に陥っているだろう。若い愛がまとも....
「科学論」より 著者:戸坂潤
、自然科学に就いても別に例外をなすのではない。社会の技術的・経済的・政治的発展の
位相に応じて(そして階級性はそういうものの集中的な表現だ)、自然科学の進歩の進度....
「現代哲学講話」より 著者:戸坂潤
結論にしろ、それが哲学的に考えることの眼前に与えられたという直接的な即ち直観的な
位相にある時、世界観の名で呼ばれるのである。 処でこの世界観は他でもない人間の....
「海陸風と夕なぎ」より 著者:寺田寅彦
、やはり海陸風に相当する規則正しい風の周期的変化があるが、ただ東京では日々変化の
位相が著しくくずれているのと、夏期の南東の季節風がかなりよく発達しているために、....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
それらの事業の表立った世話は、みな他人に任せておいた。というのは、彼女は自分の地
位相当の振る舞いをする術《すべ》を心得てはいたけれど、野中の寂しい別荘で暮らした....
「レーリー卿(Lord Rayleigh)」より 著者:寺田寅彦
また重クローム酸ゼラチン法を用いて著しい結果を得た。そうして透明な棒の生ずる光波
位相の反転に気付いた。この考えは後に発展して階段格子(〔e'chelon gra....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
さ。 建武中興の理想は武家政治や院政の否定、天皇親政復活ということであるが、皇
位相続の正しい法則をどこに求めるかということになると大そうグアイがわるかったので....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
きわまる時期に、ヒダの国だけは一度も史上に名が出たことがなかったのです。隣国で皇
位相続の大戦争があって一度も名がでてこないのですよ。 ようやく持統天皇の朱鳥元....
「戦争ジャーナリスト論」より 著者:戸坂潤
なに別なものではない、と云った方が正しいだろう。戦争は社会秩序の或る特殊の象面や
位相であって、社会秩序以外のものではない。と共に、いつからそして又どこからが戦争....