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低俗
「低俗〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
低俗の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「天馬」より 著者:金史良
らは朝鮮語で奇を衒《てら》うような、或は淫靡《いんび》を極めたような文章を綴って
低俗な雑誌へ方々売り込みに歩いた。信玄袋にはいつも原稿を入れて担いで廻り、バーや....
「白井明先生に捧ぐる言葉」より 著者:坂口安吾
言葉」を評して俗うけを狙った媚態露出だとのことであるが、白井明先生の鑑賞眼は浅薄
低俗と申さなければならない。 あの文章にこもる祖国へよせる僕の愛情や、あれを書....
「俗物性と作家」より 著者:坂口安吾
精神だの、自ら嘆いては頽廃だのとオマジナイのような架空な精神主義に支配されている
低俗なものだから(これを
低俗という)新聞雑誌の文学に対する仕掛には、作家に本当の....
「金銭無情」より 著者:坂口安吾
る始末であつたが、富子は美男子などは軽蔑すべき存在だと考へた。美男子を愛すなんて
低俗で不純なことであり、高い恋愛はもつと精神的なものだと思つたのだ。 もとより....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
凡夫の手のとどく境地ではない。一つの高く孤独なる魂の運動を直線とする。俗物どもの
低俗な社会契約が、この直線を切るのである。その切点は一瞬に火をふく。高い孤独な魂....
「あるニュウ・フェイスへの手紙」より 著者:岸田国士
す。 但し、この場合、混同してはならないのは、こういう型にはまればはまるほど、
低俗な意味の職業意識から、演劇における俳優万能の観念が生じ、自分を必要以上に目立....
「演劇の様式――総論」より 著者:岸田国士
中間に位する「演劇」という意味らしく、「新劇」ほどむづかしくもなく、「新派」ほど
低俗でもないという看板だつたのである。 現在では、「現代劇」という名称を至ると....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
ないぐらいだ。全体のマトマリもあるし、ふくよかなところもある。日本映画の大部分は
低俗だの何だのと云うよりも、本質的にバラックの感じだからなア。バラックというもの....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
は百害あって一利なし。私は、身の上相談欄というものは、単なる読み物で、それも一番
低俗な読み物。そういう風に解しております。そういう意味では実に存在の理由がありま....
「可能性の文学」より 著者:織田作之助
逞しさを持っていながら、座談会に出席すると、この頃の学生は朝に哲学書を読み、夕に
低俗なる大衆小説を読んでいるのは、日本の文化のためになげかわしいというような口を....
「大阪の可能性」より 著者:織田作之助
構流行劇作家で通り、流行シナリオ・ライターで通っているという日本の劇壇、映画界の
低俗さには、言うべき言葉もない。しかし、文壇にしても相当怪しい会話を平気で書いて....
「文学的饒舌」より 著者:織田作之助
としたら、誰も「悪どい」という一語では片づけなかっただろう。むろんこれらの作品は
低俗かも知れない。しかし、すくなくと反俗であり、そして、よしんば邪道とはいえ、新....
「夜の構図」より 著者:織田作之助
れな猿真似にすぎなかった。ジュリアン・ソレルは貴く、ソレリアン(ソレルの亜流)は
低俗だ――というこの間の事情を、信吉は自分でも心得ていた。 しかるに、わざとジ....
「イプセン百年祭講演」より 著者:久保栄
的な香気を抹殺した例が間々あるそうですが、日本では逆に、この厳粛な内容をきわめて
低俗に解釈するところから、結果としては、芸術的な高さを失ってしまったようなことに....
「雷門以北」より 著者:久保田万太郎
たから。――その時分わたしは、落語も講釈も義太夫も、すべてそうしたものの分らない
低俗な手合のみの止むをえず聞くものを浪花ぶしだとおもっていた。そう思ってあたまで....