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低劣
「低劣〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
低劣の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「二十世紀旗手」より 著者:太宰治
て置き、萱野さんとは、それっきりなの? ああ、どのようなロマンスにも、神を恐れぬ
低劣の結末が、宿命的に要求される。悪かしこい読者は、はじめ五、六行読んで、そっと....
「八十八夜」より 著者:太宰治
への殉愛である、という。けれども、このごろ、いや、そうでないぞ。あなたは、結局、
低劣になったのだぞ。ずるいのだぞ。そんな風《ふう》の囁《ささや》きが、ひそひそ耳....
「戦争中止を望む」より 著者:伊丹万作
敗けつづけ、しかもさらに将来に何の希望をも繋ぎ得ない戦局を見せつけられ、加うるに
低劣無慙なる茶番政治を見せつけられ、なおそのうえに腐敗の極ほとんど崩壊の前夜とも....
「正義と微笑」より 著者:太宰治
たのだ。チイムを統率するには、凄いキックよりも、人格の力が必要なのだ。梶の人格は
低劣だ。練習中にも、汚い冗談ばっかり言い散らしている。ふざけている。梶ばかりでな....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
女自身の趣味があった。読書も好きであった。文学の才能も、世間で見くびっているほど
低劣ではなかった。庸三の傍にいるお蔭で、そうした才能や美徳も、泥土のように見くび....
「日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
例の常識内容と常識水準との関係が又々参考に値いする。今卓越した常識水準に較べて、
低劣な方の常識水準が、往々より常識的で尤もらしい通念となるという事実を注意しよう....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
全然没交渉である。神学はまるきり地上の産物である。神学者の教うる神の観念は、野鄙
低劣を極め、そしてその主張は、魂の発達に対して、最も有害なる影響を与える。われ等....
「映画と民族性」より 著者:伊丹万作
今となつて外地へ持ち出す一本の映画もないと叫び、その原因をあげて映画芸術家の無能
低劣のゆえに帰し、口を極めてこれをののしる人がある。 ああ、古来他の責任を説く....
「思い」より 著者:伊丹万作
沈痛なる思いに沈んでいたところが、たまたま耳に流れてくるラジオの歌曲の相も変らぬ
低劣浮薄な享楽調に思わず耳をおおいたくなつた。 これらのラジオは同じ政府の指導....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
学説は古臭くなってる。が、二葉亭は総てこの見地から人を見ていた。例えば下層社会の
低劣な品性の如きも教育の不備よりはむしろ精神欠陥に帰し、一時好んで下層社会に出入....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
それ故にこそ、そこに精神の貴族主義が生れるのである。現世に失敗しても、心の世界で
低劣に堕しまいとする誇りである。それが眼を物外に向けることを教えたのである。『千....
「何を作品に求むべきか」より 著者:小川未明
達、即ちブルジョア階級がいかにして快楽を求めつゝあるかを告白する。しかし、余程の
低劣な作家にあらざる限り、これ等の事実を提供して、読者に媚びようとする者は恐らく....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
捨ててはいけない。雑草が使いようで田畑の肥料になるではないか。邪魔のように見える
低劣な人間性も人間向上の培養素になるではないかというのであります。今日では、田の....
「日本料理の要点」より 著者:北大路魯山人
るにすぎないものである。 真に心得のない料理人は、常にかような根本主義を誤った
低劣な料理をつくり、ふつつかにもみずから玄人をもって任じているのであるが、まこと....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
出来ず、依然「好人不当兵」の思想に依る傭兵であり、十八世紀欧州の傭兵に比し遥かに
低劣なものでその戦争に於ては武力よりも金力がものを言った。戦によって屈するよりも....