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「低地〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

低地の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
冬の日」より 著者:梶井基次郎
ない窓の外で、どの日もどの日も消えかかってゆくのであった。翳《かげ》ってしまった低地には、彼の棲んでいる家の投影さえ没してしまっている。それを見ると堯の心には墨....
橡の花」より 著者:梶井基次郎
一つの窓は樹木とそして崖《がけ》とに近く、一つの窓は奥狸穴《おくまみあな》などの低地をへだてて飯倉の電車道に臨む展望です。その展望のなかには旧徳川邸の椎《しい》....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
発に起因する津波によって惹起されたもので、この津波がペルシア湾からメソポタミアの低地の上を侵入していったものであろうと考えた。 リイム(I. Riem)は種々....
四日間」より 著者:ガールシンフセヴォロド・ミハイロヴィチ
くさった? 是に遮られて何も見えぬ。でも嬉やたった一ヵ所窓のように枝が透いて遠く低地を見下される所がある。あの低地には慥か小川があって戦争|前に其水を飲だ筈。そ....
転機」より 著者:伊藤野枝
いうことにもあった。本流の河水の停滞は支流の渡良瀬、思等の逆流となって、その辺の低地一帯の氾濫となるのであった。そこでその河水の停滞をのぞくために、河底をさらえ....
雪の女王」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
たしよりもくわしく、なんでも教えてくれるだろうからね。」 *ノルウェーの北端、最低地方。 さてゲルダのからだもあたたまり、たべものやのみものでげんきをつけても....
鴨の喜劇」より 著者:井上紅梅
蓮池は彼等を入れるにはもうあまりに小さくなった。 幸いにして仲密の屋敷の地勢は低地であったから、一度夕立が降ると庭じゅう水溜りになり、彼等は嬉しげに泳ぎ、もぐ....
妖婆」より 著者:岡本綺堂
で、俗にいう三町目谷の坂下から東へ入るのである。ここらの坂下は谷と呼ばれるほどの低地で、遠い昔には柳川という川が流れていたとか伝えられ、その川の名残りかとも思わ....
潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
色絶美の姫君が住んでいた。ブルガンディーの王、グンテルの妹である。また、その下流低地にも、一つの城があって、そこには、ジーグフリードと呼ぶ抜群の勇士がいたのであ....
迷信解」より 著者:井上円了
は、夏すずしく冬暖かに、奥より勝手向きの便利をよくし、盗賊、火災の防ぎ方を設け、低地の所は出水の手当ていたし、小破れを繕い、火の用心を大切にして住む家を、すなわ....
穂高岳槍ヶ岳縦走記」より 著者:鵜殿正雄
十一 中の岳 南岳より北の方へ大畝りに畝って行く事半里で、連嶺第二の低地、その先きは盆地で沢山の残雪、雪解けの水も流れている。水を一掬び勢をつけて、....
」より 著者:岡本綺堂
夜。 相模国、石橋山の古戦場に近き杉山の一部。うしろに小高き山を負いて、その裾の低地に藁葺きの炭焼小屋。家内は土間にて、まん中に炉を切り、切株又は石などの腰かけ....
遁走」より 著者:葛西善蔵
…? 私たち二人は、よく行く、近くの釣堀の方へと歩いた。樹木の茂った丘の崖下の低地の池のまわりには、今日も常連らしい半纏着の男や、親方らしい年輩の男や、番頭ら....
贋物」より 著者:葛西善蔵
、それを越えて見わたされる限りの山々は、すっかり林檎畠に拓かれていた。手前隣りの低地には、杉林に接してポプラやアカシヤの喬木がもくもくと灰色の細枝を空に向けてい....
西航日録」より 著者:井上円了
江湖沼池のいたるところに存し、麦田の間に雨水の滞留するを見る。これ、世界中第一の低地なりとの称あるゆえんなり。 アムステルダムは欧州のほかの首府とその趣を異に....