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住まう
「住まう〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
住まうの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
くらい、待ち遠しかったそうでございます。
「たとい河原とは申しながら、予も洛中に
住まうものじゃ。堀川の殿がこの日頃、姫君のもとへしげしげと、通わるる趣も知っては....
「或る女」より 著者:有島武郎
すみからすみまできちんと小ぎれいに片付いているのに引きかえて、叔母《おば》一家の
住まう下座敷は変に油ぎってよごれていた。白痴の子が赤ん坊同様なので、東の縁に干し....
「或る女」より 著者:有島武郎
もまあほんとうにお珍しい……ただいまこちらのほうにお住まいでございますの?」
「
住まうというほどもない……くすぶりこんでいますよハヽヽヽ」
と木部はうつろに笑....
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
ような烈《はげ》しい所には向かない。東京はまあ小野だの、御前だののような若い人が
住まう所だね」 時代後れの阿父は小野さんと自分のためにわざわざ埃だらけの東京へ....
「行人」より 著者:夏目漱石
か」
桐畠というのは家のつい近所にある角地面《かどじめん》の名であった。そこへ
住まうと何か祟《たたり》があるという昔からの言い伝えで、この間まで空地《あきち》....
「黴」より 著者:徳田秋声
坐りながら言った。 「勤め人の夫婦ものか何かには、持って来いの家だよ。自分一人で
住まう気になっているから困る。」 「そうですね。これじゃ……。」と弟も首を傾げた....
「爛」より 著者:徳田秋声
ものであった。お増から身のまわりの物などを一ト通り分けてもらって、その家の二階に
住まうことになったお今は、初めて世帯でも持つときのような不安と興味とを感じながら....
「断水の日」より 著者:寺田寅彦
十二月八日の晩にかなり強い地震があった。それは私が東京に
住まうようになって以来覚えないくらい強いものであった。振動週期の短い主要動の始め....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
、それが世にもっとも恐ろしい不幸のように思えたものです。そんな所へみずから好んで
住まうとは、そしてたぶんそんな所で死ぬだろうとは、当時夢にも思ってはいませんでし....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
ぱに住まわせ、一定の仕事を与え、年に千五百フラン払おうと、申し出てきた。りっぱに
住まう、千五百フラン、なるほど結構ではある。しかし自由を捨てる、給料で働く、一種....
「無人島に生きる十六人」より 著者:須川邦彦
た乗組員は、天幕をはって休養したが、のちにはりっぱな家をたてて、幾人もの鯨とりが
住まうようになった。 おいらの父親も、小笠原に家をもったのだ。そして、おいらは....
「杜子春」より 著者:芥川竜之介
れは泰山の南の麓に一軒の家を持っている。その家を畑ごとお前にやるから、早速行って
住まうが好い。今頃は丁度家のまわりに、桃の花が一面に咲いているだろう」と、さも愉快そうにつけ加えました。....
「なよたけ」より 著者:加藤道夫
)今は昔、竹取の翁と云う者がおりましたのじゃ。もとより、人目も稀な竹山の隠れ里に
住まう、しがない世捨人、……野山にまじりて、竹を取りながら、それで竹籠なんぞを編....
「漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
家や地面が久松家の所有になり、久松家の用人をしていた私の長兄が留守番|旁々其所に
住まうようになって、私は帰省する度にいつもそこに寐泊りをした。即ち漱石氏の仮寓し....
「ちょうと三つの石」より 著者:小川未明
がなかったけれど、女のようすは変わっていました。 水車場には、知らぬ人が入って
住まうようになりました。 「若いうちに、うんと働いて、年をとってから楽な暮らしを....