体温[語句情報] » 体温

「体温〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

体温の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
年末の一日」より 著者:芥川竜之介
の底に潜んでいるのは妙に侘《わび》しい心もちだった。僕はいつか外套の下に僕自身の体温を感じながら、前にもこう言う心もちを知っていたことを思い出した。それは僕の少....
早春」より 著者:芥川竜之介
大学生の中村《なかむら》は薄《うす》い春のオヴァ・コオトの下に彼自身の体温を感じながら、仄暗《ほのぐら》い石の階段を博物館の二階へ登っていった。階段を....
将軍」より 著者:芥川竜之介
をこっちへとって見せろ。」 通訳が腹巻を受けとる時、その白木綿《しろもめん》に体温のあるのが、何だか不潔に感じられた。腹巻の中には三寸ばかりの、太い針がはいっ....
或る女」より 著者:有島武郎
中が軽くなっていた。貞世もその晩はひどく熱に浮かされもせずに寝続けて、四時ごろの体温は七度八分まで下がっていた。緑色の風呂敷《ふろしき》を通して来る光でそれを発....
星座」より 著者:有島武郎
の向うにおきなおした。人見はちょっと遠慮するような恰好でそれに坐った、それは園の体温でちょうどよく暖たまっていた。 綺麗に掃除されたラムプの油壷は瑠璃色《るり....
麻雀殺人事件」より 著者:海野十三
なった。絶命してから、まだ一時間と経っていないことは、屍体の腋下にのこる生ま温い体温や、帆村の参考談から、証明された。しかしどんな毒物が用いられたか、又毒物がど....
赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
上になげ落しました。 勝見は、恐る恐る笛吹川画伯の身体にふれて見ました。生温い体温を掌に感じて、いやな気持になりました。息は止っています。手首をとりあげて見ま....
断層顔」より 著者:海野十三
つの曲線は、彼の健康を評価する七つの条件を示していた。脈搏の数と正常さ、呼吸数、体温、血圧、その他いくつかの反応だった。鏡の前に立てば、ほとんど瞬間にこれらのも....
鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
。 一方、前記要保護人は、収容後十時間を経《へ》るも未だ覚醒《かくせい》せず、体温三十五度五分、脈搏《みゃくはく》五十六、呼吸十四。その他著しき異状を見ず。引....
火星探険」より 著者:海野十三
、ぐっと相手の手をつかんでふった。その手ざわりは、かなり冷めたかったが、それでも体温のあることが分った。 「地球のことばを話して下さるので、たいへんよく分ります....
宇宙戦隊」より 著者:海野十三
やはり氷のように冷えていたそうだよ」 「それはへんだねえ。生きかえったものなら、体温が上って温くなるはずだ」 「そこが妖怪変化だ。あとで我々に祟りをしなければい....
」より 著者:犬田卯
憤懣とをごっちゃにした連中が、かけ合いで唄の文句をつぶやいていた。 「用もない、体温計など来てやがる。」 全く呆れたことに、その体温計が小綺麗な箱へ入って配給....
余齢初旅」より 著者:上村松園
しでいたのだが、しきりとくしゃみが出た。それで薬を呑んで床にはいったのであった。体温計ではかってみると三十七度八分ほど熱が出ていた。お薬を呑んであたたかくして静....
J・D・カーの密室犯罪の研究」より 著者:井上良夫
上から重い分銅が現われたり、椅子の背から分銅で頭蓋を割られたりなど。 ――寝台が体温で温たまるにつれ毒ガスを発生したり、毒針が突出して来たりなど。 (四)、実際....
式部小路」より 著者:泉鏡花
上って見えて、すっとこの室の前を通ったんだね。 そこへ私の看護婦が来ましたが、体温器を掛けにです。戸口へ立停って、しばらくその方を見ていました。 しばらくす....