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「何だか〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

何だかの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
まま、同じ金鈕《きんボタン》の制服を着たもう一人の画学生にこう言ったりした。 「何だかな、まさか厳格と云う洒落《しゃれ》でもあるまい。」 彼等は二人とも笑いな....
」より 著者:芥川竜之介
》をなすったのでございますよ。」 「いいえ、御隣の坊ちゃんなんぞじゃなくってよ。何だか見た事があるような――そうそう、いつか婆《ばあ》やと長谷《はせ》へ行った時....
片恋」より 著者:芥川竜之介
来たじゃありませんか。――どこか西洋の町なんでしょう。こう敷石があって、まん中に何だか梧桐《あおぎり》みたいな木が立っているんです。両側はずっと西洋館でしてね。....
奇遇」より 著者:芥川竜之介
へ隠れてしまう。そうして僕が眼を外《そ》らせば、じっとまたこちらを見つめている。何だか翡翠《ひすい》の簪《かんざし》や金の耳環《みみわ》が幕の間《あいだ》に、ち....
奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
うして白い影のように、そこへ腹を落着けたなり、じっと彼等を眺め出した。 お蓮は何だかその眼つきが、人のような気がしてならなかった。 七 ....
子供の病気」より 著者:芥川竜之介
。細帯一つになった母は無器用《ぶきよう》に金槌《かなづち》を使っていた。その姿は何だか家庭に見るには、余りにみすぼらしい気のするものだった。氷も水に洗われた角に....
黒衣聖母」より 著者:芥川竜之介
麻利耶観音と私の顔とを見比べて、もう一度こう繰返した。 「これは珍品ですね。が、何だかこの顔は、無気味《ぶきみ》な所があるようじゃありませんか。」 「円満具足《....
お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
いのかい?」 洋一は帳場机に坐りながら、店員の一人の顔を見上げた。 「さっき、何だか奥の使いに行きました。――良《りょう》さん。どこだか知らないかい?」 「神....
或恋愛小説」より 著者:芥川竜之介
です。窓の外の空は雨になっている。達雄は放心したようにじっと手紙を見つめている。何だかその行《ぎょう》の間《あいだ》に妙子の西洋間《せいようま》が見えるような気....
馬の脚」より 著者:芥川竜之介
てしまいます。」 「困る。実に困る。」 年とった支那人は歎息《たんそく》した。何だか急に口髭《くちひげ》さえ一層だらりと下《さが》ったようである。 「これは君....
」より 著者:芥川竜之介
。――そう思うと、今まではただ、さびしいだけだったのが、急に、怖いのも手伝って、何だか片時《かたとき》もこうしては、いられないような気になりました。何さま、悪く....
鴨猟」より 著者:芥川竜之介
めるから、みんな禁猟区域へ入ってしまう」などと手を叩いて笑っていた。しかもまた、何だか頭巾に似た怪しげな狐色の帽子を被って、口髭に酒の滴を溜めて傍若無人に笑うの....
初雪」より 著者:秋田滋
た。やっとの思いで、頻りに云い澱みながらこう云った。 「あたし――あたしねえ――何だか悲しいんですの――何だか、妙に気が重いんですの――」 しかし、そう云って....
狂人日記」より 著者:秋田滋
這うように、這い※る。生きものが今死ぬという際に発する苦しそうな叫び声のような、何だか解らない、悲痛な、物狂おしいものが、ひっきりなしに耳に這入ってくる。それは....
夢の如く出現した彼」より 著者:青柳喜兵衛
ではあるまいか。 久作さんはほんとに夢の様に、ポックリ逝かれた。夢野久作なんて何だか予約されていた名前への様にも想われるがそうではない。かかる名探偵作家を現世....