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「何とした〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

何としたの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
土曜夫人」より 著者:織田作之助
なく、はだしという、自尊心から言っても人に見せたくない醜態を演じてしまったとは、何としたことであろう。 京都へ逃げて来ていることを、一番知られたくない章三に見....
婦系図」より 著者:泉鏡花
っきりそうだ、だから、私ア違えねえッて云ったんだ。彼奴、兇状持だ。」 「ええ―」何としたか、主税、茶碗酒をふらりと持った手が、キチンと極る。 「兇状持え?」とお....
貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
ゅ。」 「しんびょう、しんびょう……奇特なや、忰。……何、それで大怪我じゃと――何としたの。」 「それでしゅ、それでしゅから、お願いに参ったでしゅ。」 「この老....
灯明之巻」より 著者:泉鏡花
うで、悪酒に酔ったように、凡杯の胸は塞った。 自動車たるべきものが、スピイドを何とした。 茫然とした状して、運転手が、汚れた手袋の指の破れたのを凝と視ている....
」より 著者:井上紅梅
供は遊びに来ることが出来ません。親戚も本家も来るはずはありません――これはまた、何としたことでしょうか」 老女はしばらく考えていたが、たちまち涙を流して大声上....
暗号数字」より 著者:海野十三
た。さもなければ、頭脳が麻痺してしまったのだ。ここまで解きながら、答が出ないとは何としたことであろう。はるばる富山まで来て、交番の奥の間に呻吟している自分が世界....
多神教」より 著者:泉鏡花
ながら差出す手を、払いのけて、仕丁。森に行く。帯を投げるとともに飛返る。) 神職何とした。 仕丁 ずるずるずると巻きましたが、真黒な一幅になって、のろのろと森の....
荘子」より 著者:岡本かの子
夫が薪割りをいたして居る音で御座います」 「なに荘先生が薪割り?………それはまた何とした物好きなことを始められましたことです」 「いつぞや洛邑から帰りまして……....
夜光虫」より 著者:織田作之助
ついた感じだった。 掏摸を追うていたつもりだのに、掏摸に追われていたとは、一体何としたことであろう。 「莫迦をいえ! 掏摸は……」 あいつだと、小沢は毛虫を....
夜の構図」より 著者:織田作之助
い。屈辱すら感じている。 その信吉が、冴子の前で今ぽうっと赧くなっているとは、何としたことであろう。 問題は、伊都子と冴子と、どちらがすぐれているかという点....
旅客機事件」より 著者:大庭武年
うに、お互同士の肉体上の事迄、感じさせるものだった。 「一体、三枝の今日の態度は何とした事であろう。美しい、そしてたいへん良家の令嬢を恋女房とする事の出来る日の....
平家蟹」より 著者:岡本綺堂
て置きながら、いざというときには口へも出ず。たった一人の姉妹の勘当受けて、こりゃ何としたものであろうか。 (玉琴泣き入るを、おしおは慰める。) おしお 一旦はあ....
小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
ているが、山名の方では懇望、わしも承知、やがて表向きに取り決むる筈じゃが、それが何とした。」 「恐れながらその儀は……。相成らぬかとも存じられまするが。」 「な....
古事記」より 著者:太安万侶
に仰せられるには、「すべて子《こ》の名は母が附けるものであるが、この御子の名前を何としたらよかろうか」と仰せられました。そこでお答え申し上げるには、「今稻の城を....
俗臭」より 著者:織田作之助
権右衛門はどんな顔をして、どんな事を言うであろうか。再び出て行けというだろうか。何としたものであろう……。 日が暮れて、彼は帰って来た。政江は出来るだけ、いわ....