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何なり
「何なり〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
何なりの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
全く金銀が欲しさにする仕事であろうな。さて金銀が欲しいとあれば、予はその方どもに
何なりと望み次第の褒美を取らすであろう。が、その代り予の方にもまた頼みがある。何....
「竜」より 著者:芥川竜之介
、支度が整うたら、まず第一に年かさな陶器造《すえものつくり》の翁《おきな》から、
何なりとも話してくれい。」
二
翁《おきな》「これは、これ....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
二十 「それから、財産は先刻も謂った通り、一人一人に用意がしてある。病気なり、
何なりは、父様も兄も本職だから注意が届くよ。その他は万事母様が預かって躾けるんだ....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
そういって僕は燐寸を少女に返した。 「いいえ、……お役に立つことがあったら、
何なりといたしますわ。ホホホホ」 ――え? と訝る折しも、何を思ったか洋装の....
「蠅男」より 著者:海野十三
そこであなたがたよりは、小さいことも気にしなきゃならんのです。目につくものなら、
何なりと逃がさんというのが、私立探偵の生命線なんでして――」 「もう止せ、帆村君....
「共軛回転弾」より 著者:海野十三
ったとおりのわけですから、ぜひ契約して頂きとうございます。その代り博士のお望みは
何なりと……それに特別精製のアメリカ名産バイソンの燻製を一口召上って下さいまし。....
「火星兵団」より 著者:海野十三
れでいいではないか。わしを疑うような言葉をつかうでない。もし疑わしいと思うなら、
何なりと尋ねて見ろ。たちどころに、その疑いをといてやる」
蟻田博士の自信は、巌....
「錦染滝白糸」より 著者:泉鏡花
旦那。 七左 ほう、私かの。 白糸 少々伺いとう存じます。 七左 はいはい。ああ
何なりとも聞くが可い。信濃国東筑摩郡松本中は鵜でござる。 白糸 あの、新聞で、お....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
行の模様をききたいと仰っしゃいますか……。宜しうございます。私の存じていることは
何なりとお話し致しますが、しかし現界で行るのと格別の相違もございますまい。私達と....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
線より落ち行きて、始めて人の心に沈み行く日の光の名残が惜しまれる。せめて後の世に
何なりと記念の物を残そうということが心に浮ぶ。 ファラデーが死んでから、記念の....
「誓之巻」より 著者:泉鏡花
膝をまげて、横にまくらつけしが、二ツ三ツものいえりし間に、これは疲れて転寝せり。
何なりけむ。ものともなく膚あわだつに、ふと顔をあげたれば、ありあけ暗き室のなかに....
「山吹」より 著者:泉鏡花
。――たった今、その美しい奥方様が、通りがかりの乞食を呼んで、願掛は一つ、一ヶ条
何なりとも叶えてやろうとおっしゃります。――未熟なれども、家業がら、仏も出せば鬼....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
いや、その事なら、かえって礼をいう。……当然のことのようだ。何だか、妹の事なり、
何なり、誰かに引撲かれそうな気がしてならなかったからね。――一体、女形の面裡から....
「活人形」より 著者:泉鏡花
な夢になるな。「もうこれッ切り御苦労は懸けないが、もう一番頼まれてくれ。「へい、
何なりとも。「銀平はどうした。「しきりに飲んでおります。「彼奴も序に片附けてしま....
「大利根の大物釣」より 著者:石井研堂
直に櫓を執り、熟地に向う、漁史膝を抱きて、四辺を眺めながら、昨日一昨日の漁況は如
何なりしと問えば、『一昨夜は、例の浅草の旦那と出でたりしが、思わざる事件持ち上り....