何にも増して[語句情報] »
何にも増して
「何にも増して〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
何にも増しての前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「癩」より 著者:島木健作
れ》も発狂することもないだろう、などと太田は時折思ってみるのであった。 だが、
何にも増して彼が心をひかれ、そしてそれのみが唯一の力とも慰めともなったところのも....
「新ハムレット」より 著者:太宰治
さまを母上とお呼びして甘える事が出来るようになるのではないかしらという淡い期待が
何にも増して、うれしかったのでございます。お信じ下さいませ。あたしは小さい時から....
「弟子」より 著者:中島敦
ことそれ自体が、既に先天的な非凡さの何よりの証拠《しょうこ》ではないかと。だが、
何にも増して孔子の天才の核心《かくしん》たるものは何かといえば、「それは」と子貢....
「現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
に置こうという思想が、如何に本末を転倒した関心に立っているかが判るだろう。空間は
何にも増して、まず第一に客観的でこそなければならない、だのにこの客観性を基礎づけ....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
うものである。でこの高い「国家」的な着眼点からいうと、小学校の先生達は、国家から
何にも増して大きな最後の期待をかけられているのである。もし今日のわが国家が、この....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
得ないのだ。荒野における第一の問いはこういう意味を持っているのだ。おまえは自分が
何にも増して尊重した自由のために、これだけの物を拒否したのだ。さらに、この問題の....
「性格としての空間」より 著者:戸坂潤
云うのでもない、ただ代表的な立場を理念的に一般化して指摘したに過ぎない。空間とは
何にも増して先ず第一に自然の性格を云い表わすものでなければならない、空間は一つの....
「京都の朝市」より 著者:柳宗悦
の猟場の如きもので、相場以前の世界なのである。こういう世界こそ私のような者には、
何にも増して有難いのである。有名でないもので、いとも素晴らしいものが、勿体もつけず平気で現れてくるからである。....
「はつ恋」より 著者:神西清
たら、自由にもなれるし、上に立つこともできるのだ」 父は、何よりもまず、そして
何にも増して、生活することを欲した。そして実際、生活したのだ。……ひょっとすると....