»
何も
「何も〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
何もの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
な干渉はとかく恋人たちの道のつまずきの石になるものだが、彼はそれで心配することは
何もなかった。ボールト・ヴァン・タッセルはのんきで大まかな人だった。彼は娘が自分....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
ら大体の話はきいて来たようなもののこの有様を見て、吃驚してしまいました。朝太郎は
何も解らないので、皆なの顔をきょときょとと見廻わしているばかりでした。 その日....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
催させると同時に、こうして生きてゆくことに対して劇しい憂欝を感じさせたのである。
何もかもが、なんの変哲もなく、ただ悲しく繰返されるだけだった。家へ帰って来て錠前....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
エールとおッ母さんのジャンヌですか」 ジャンは父親の姓も、生れ故郷の村の名も、
何もかも忘れてしまっていた。けれども、幼い日に始終口にしていた父母の呼び名だけは....
「狂女」より 著者:秋田滋
髑髏にめぐり会った、たしかにそれと違いないと云う気がしたのだった。 と、僕には
何もかもが一時に腑に落ちた。それまで解くことの出来なかった謎がすらすらと解けてい....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
自体の中に運動の原動力と、その運動を調節する意志とを有する、魂があるもの。それは
何ものにも係りを持たない。その足と大地との間には何のつながりも無い。地上にうごめ....
「墓」より 著者:秋田滋
神的な愛情、そのような通り一遍の気持で愛していたのではございません。わたくしは、
何ものをもってしても代えることの出来ない、溢れるばかりの情熱をもって彼女を愛して....
「初雪」より 著者:秋田滋
ところを通っている街道に通じる道である。 ああ! 彼女にはいま、その頃のことが
何もかも思い出されて来るのだった。その土地へ着いた時のこと、生れて初めて住むその....
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
子供。子供はにこにこ笑いながら、首を振ったり手を挙げたりしている。子供の後ろには
何も見えない。そこへいつか薔薇《ばら》の花が一つずつ静かに落ちはじめる。
....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
必ず回向《えこう》に来ると云う答があった。「今日も早くに見えました。」――所化は
何も気がつかないように、こんな事までもつけ加えた。喜三郎は寺の門を出ながら、加納....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
様が、沈勇だと御賞美になったのも、至極道理な事でございます。」
「いや、それほど
何も、大した事ではございません。」内蔵助は、不承不承《ふしょうぶしょう》に答えた....
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
若槻と別れたというじゃないか? なぜ別れたと訊《き》いて見ても、返事らしい返事は
何もしない。ただ寂しそうに笑いながら、もともとわたしはあの人のように、風流人《ふ....
「魚河岸」より 著者:芥川竜之介
のがこう云う場所だけに難有《ありがた》かった。露柴も、――露柴は土地っ子だから、
何も珍らしくはないらしかった。が、鳥打帽《とりうちぼう》を阿弥陀《あみだ》にした....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
――
事務室の窓かけは日の光の中にゆっくりと風に吹かれている。もっとも窓の外は
何も見えない。事務室のまん中の大机には白い大掛児《タアクワル》を着た支那人《シナ....
「海のほとり」より 著者:芥川竜之介
ま》を何本も灰にしながら、東京の友だちの噂《うわさ》などした。
僕等のいるのは
何もない庭へ葭簾《よしず》の日除《ひよ》けを差しかけた六畳|二間《ふたま》の離れ....