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何より
「何より〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
何よりの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
の強い馬琴には、彼の謙辞をそのまま語《ことば》通り受け取られたということが、まず
何よりも不満である。その上平吉の遠慮するような調子がいよいよまた気に入らない。そ....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
張《ぶば》った事を御好みになりましたが、若殿様はまた詩歌管絃《しいかかんげん》を
何よりも御喜びなさいまして、その道々の名人上手とは、御身分の上下も御忘れになった....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
るのが気になったとでもいうべきなのでしょう。実際その時私は彼の顔を見るが早いか、
何よりも先に『どうした。体でも悪いのじゃないか。』と尋《たず》ねたほど、意外な感....
「河童」より 著者:芥川竜之介
、芸術は何ものの支配をも受けない、芸術のための芸術である、従って芸術家たるものは
何よりも先に善悪を絶《ぜっ》した超人でなければならぬというのです。もっともこれは....
「袈裟と盛遠」より 著者:芥川竜之介
った私は、何と云うみじめな人間だろう。三年前の私は、私自身を、この私の美しさを、
何よりもまた頼みにしていた。三年前と云うよりも、あるいはあの日までと云った方が、....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
くろじゅす》の襟へ顎《あご》を埋《うず》めた。
「御新造は世の中にあなた一人が、
何よりも大事なんですもの。それを考えて上げなくっちゃ、薄情すぎると云うもんですよ....
「大川の水」より 著者:芥川竜之介
な心もちがした。この心もちのために、この慰安と寂寥とを味わいうるがために、自分は
何よりも大川の水を愛するのである。
銀灰色の靄《もや》と青い油のような川の水と....
「おしの」より 著者:芥川竜之介
瞬間の喜びの輝いたのはこの時である。
「さようでございますか? そうして頂ければ
何よりの仕合せでございます。」
神父は優しい感動を感じた。やはりその一瞬間、能....
「三右衛門の罪」より 著者:芥川竜之介
せんこく》も申した通り、一かどの御用も勤まる侍にむざと命を殞《おと》させたのは、
何よりも上《かみ》へ対し奉り、申し訣《わけ》のないことと思って居りまする。」
....
「死後」より 著者:芥川竜之介
ていた。」
「細君は?」
「達者だ。子供もこの頃は病気をしない。」
「そりゃまあ
何よりだね。僕なんぞもいつ死ぬかわからないが、……」
僕はちょっとSの顔を眺め....
「少年」より 著者:芥川竜之介
技巧に話を終ることにした。が、話の体裁《ていさい》は?――芸術は諸君の云うように
何よりもまず内容である。形容などはどうでも差支えない。
五 幻燈
....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
。しかし男は好人物を常に友だちに持ちたがるものである。
又
好人物は
何よりも先に天上の神に似たものである。第一に歓喜を語るのに好い。第二に不平を訴え....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
《うち》にも笑わずにはいられぬ。有王。三界一心《さんがいいっしん》と知った上は、
何よりもまず笑う事を学べ。笑う事を学ぶためには、まず増長慢を捨てねばならぬ。世尊....
「佐藤春夫氏の事」より 著者:芥川竜之介
一、佐藤春夫は詩人なり、
何よりも先に詩人なり。或は誰よりも先にと云えるかも知れず。 二、されば作品の特....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
望でぶるぶる顫える。手を這う。手は殺したい慾求でわなわな震える。それは、自由な、
何よりすぐれた、自分の心を思うままにすることが出来る、上品な刺戟を求めている人に....