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何事
「何事〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
何事の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
もなれない。そこで、おれと養父とは、きょうがきょうまで、互いににらみ合いながら、
何事もなくすぎて来た。もしあのおじじにもう少し、勇気があったなら、――いや、おれ....
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
も思ってはいません。が、わたしは出来る限り、あの女の教育に尽して来ました。どうか
何事にも理解の届いた、趣味の広い女に仕立ててやりたい、――そういう希望を持ってい....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
大殿様もとうとう我《が》を御折りになったと見えて、苦《にが》い顔をなすったまま、
何事もなく御立ちになってしまいました。
こう云う御間がらでございましたから、大....
「じゅりあの・吉助」より 著者:芥川竜之介
の時すでに婿を迎えて、誰も羨むような夫婦仲であった。
こうして一二年の歳月は、
何事もなく過ぎて行った。が、その間《あいだ》に朋輩は吉助の挙動に何となく不審《ふ....
「袈裟と盛遠」より 著者:芥川竜之介
たった一目見たばかりで、あの人の心に映っている私の醜さを知ってしまった。あの人は
何事もないような顔をして、いろいろ私を唆《そその》かすような、やさしい語《ことば....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
浮ぶのを感じた。が、そっと兄の容子《ようす》を見ると、兄は遠くへ眼をやりながら、
何事もないように歩いていた。――
そんな事を考えると、兄がすぐに帰って来るかど....
「仙人」より 著者:芥川竜之介
口入《よろずくちい》れ所《どころ》と書いてあるじゃありませんか? 万と云うからは
何事でも、口入れをするのがほんとうです。それともお前さんの店では暖簾の上に、嘘《....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
まいとした。が、彼等は彼等自身のために、彼の意嚮《いこう》には頓着なく、ほとんど
何事にも軋轢《あつれき》し合った。そこには何か宿命的な、必然の力も動いていた。彼....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
「お前が都へ帰ったら、姫にも歎きをするよりは、笑う事を学べと云ってくれい。」と、
何事もないようにおっしゃるのです。
「わたしは都へは帰りません。」
もう一度わ....
「運」より 著者:芥川竜之介
い案配に、人のけはいはございませぬ。――
「ここでそのまま、逃げ出してしまえば、
何事もなかったのでございますが、ふと今朝《けさ》貰った綾と絹との事を思い出したの....
「久米正雄」より 著者:芥川竜之介
誘惑を意識しつつ、しかもその誘惑に抵抗しない、たとえば中途まで送って来た妓と、「
何事かひそひそ囁き交したる後」莫迦莫迦しさをも承知した上、「わざと取ってつけたよ....
「墓」より 著者:秋田滋
再び法廷に戻って来た時には、被告はいささかも悪びれる容子はなく、無念無想、もはや
何事も考えてさえいないように見えた。 裁判長はやがて法廷の慣用語をつかって、陪....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
ゆらりと立帰りしところ、裏のうち騒がしく「さても胆太き者どもかな」と口々に言う。
何事かと聞けば隣長屋に明店ありしに突然|暮方二人の男来りてその家の建具類を持ち去....
「寡婦」より 著者:秋田滋
デルという若い男が、その娘をつれて逃げてしまいました。 ド・サンテーズさんは、
何事もなかったように平然とした容子をしておりました。ところが、ある朝、何匹もの犬....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
パイプよりも好きで、さすがにわかりのよい男らしく、またすぐれた父親にふさわしく、
何事についても娘の好むようにさせていた。まめに働く女房も、家政を見るやら、家禽の....