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何分
「何分〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
何分の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
中でございますから、御見覚えもございますまい。どうかこれを御縁にして、今後はまた
何分ともよろしく御指導のほどを御願い致します。」
私はここに至って、ようやくこ....
「犬と笛」より 著者:芥川竜之介
しまいました。ただ、どちらの御姫様が、髪長彦の御嫁さんになりましたか、それだけは
何分昔の事で、今でははっきりとわかっておりません。
(大正七年十二月)....
「影」より 著者:芥川竜之介
その露《あら》わな乳房《ちぶさ》の上に、生死もわからない頭を凭《もた》せていた。
何分かの沈黙が過ぎた後《のち》、床《ゆか》の上の陳彩は、まだ苦しそうに喘《あえ》....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
なお》って、苦しそうにこう云った。「が、身ども息のある内に、先生を御見かけ申し、
何分願いたい一儀がござる。御聞き届け下さりょうか。」蘭袋は快く頷《うなず》いた。....
「奇遇」より 著者:芥川竜之介
早く自動車でも御呼びなさい。
小説家 そうですか。それは大変だ。ではさようなら。
何分《なにぶん》よろしく。
編輯者 さようなら、御機嫌好う。
(大正十年三月)....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
着の膝の上へ、やはり涙を落している彼女自身を見出《みいだ》したのだった。
が、
何分《なんぷん》か過ぎ去った後《のち》、お蓮がふと気がついて見ると、薄暗い北向き....
「湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
いた※江丸《げんこうまる》は長沙《ちょうさ》の桟橋へ横着けになった。
僕はその
何分か前に甲板の欄干《らんかん》へ凭《よ》りかかったまま、だんだん左舷《さげん》....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
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それから
何分かの後《のち》である。厠《かわや》へ行くのにかこつけて、座をはずして来た大石....
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
がふる、ある寒さのきびしい夜の事である。当時大学の学生だった本間さんは、午後九時
何分かに京都を発した急行の上り列車の食堂で、白葡萄酒《しろぶどうしゅ》のコップを....
「仙人」より 著者:芥川竜之介
人にして見せるから。」
「左様《さよう》ですか? それは善い事を伺いました。では
何分願います。どうも仙人と御医者様とは、どこか縁が近いような心もちが致して居りま....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
にはただ草木の栄《さかえ》を孕《はら》んだ、明るい沈黙があるばかりになった。……
何分《なんぷん》か後《のち》、あの羽根を傷《きずつ》けた山鳩は、怯《お》ず怯《お....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
ちず、将軍の握手に報いるため、肉弾になろうと決心した。……
その夜《よ》の八時
何分か過ぎ、手擲弾《しゅてきだん》に中《あた》った江木上等兵は、全身|黒焦《くろ....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
した日月山川を歌わなければならぬ。が、「太陽は西に沈み」と言う代りに「地球は何度
何分|廻転《かいてん》し」と言うのは必しも常に優美ではあるまい。
支那
....
「たね子の憂鬱」より 著者:芥川竜之介
さかずき》を挙げて立ち上らなければならなかった。それはこの晩餐の中でも最も苦しい
何分かだった。彼女は怯《お》ず怯《お》ず椅子《いす》を離れ、目八分《めはちぶん》....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
の事は書中にて承知致したり、心置きなくまず我方に居られよ」と快濶なる詞有難く、「
何分宜しく願い申す」と頭をあげて主公の顔を見て予は驚きたり。主公もまた我面を屹度....