何時の間に[語句情報] »
何時の間に
「何時の間に〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
何時の間にの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星あかり」より 著者:泉鏡花
牡丹、鬼百合、夏菊など雑植の繁った中に、向日葵の花は高く蓮の葉の如く押被さって、
何時の間にか星は隠れた。鼠色の空はどんよりとして、流るる雲も何にもない。なかなか....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
日の丸の印が、グングン小さく、そして遠くなって行った。 一隊又一隊と、空中では
何時の間にか、三機、五機、七機と見事な編隊を整え、敵の空中目指して突入して行った....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
長は青竜王の腕をムズと捉えた。 「いまの建築図のようなものを出し給え。君はそれを
何時の間にどこから手に入れたんだい」 青竜王は課長の手を静かに払いながら、 「....
「春昼」より 著者:泉鏡花
音で、くるくると廻った。 気がつくと、四、五人、山のように背後から押被さって、
何時の間にか他に見物が出来たて。 爾時、御新姐の顔の色は、こぼれかかった艶やか....
「灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
一人|沈としているものは無い。腰を掛けたかと思うと立つ。甲に話しているかと思うと
何時の間にか乙と談じている。一つ咄が多勢に取繰返し引繰返しされて、十人ばかりの咄....
「薬草取」より 著者:泉鏡花
、立休ろうていた。笠を脱いで、襟脚長く玉を伸べて、瑩沢なる黒髪を高く結んだのに、
何時の間にか一輪の小な花を簪していた、褄はずれ、袂の端、大輪の菊の色白き中に佇ん....
「人造人間戦車の機密」より 著者:海野十三
うしろで、えへんと咳払いがした。主席は、はっとして、うしろをふりかえってみると、
何時の間に現れたのか、そこには当の油学士が、いやに反り身になって突立っていたでは....
「火星兵団」より 著者:海野十三
これがおどろかないでおられようか。
火星のボートの中に、千二はいたのである。
何時の間に、火星のボートの中にはいったのか、さっぱりわからない。
「すると、僕の....
「崩れる鬼影」より 著者:海野十三
と盆地のように平になっていて、青い草が生えていたばかりですよ」 「ほほう、すると
何時の間に出来たのだろうか」 「もしや……」 「もしや何だッ」と警部は声をはりあ....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
慮なく往来の交通を邪魔していたし、また思いがけないところに火の手が忍びよっていて
何時の間にか南側の家が焔々と燃えているのに気がつくなどという有様だった。高島町の....
「蜜柑」より 著者:芥川竜之介
ぎた後であった。ふと何かに脅されたような心もちがして、思わずあたりを見まわすと、
何時の間にか例の小娘が、向う側から席を私の隣へ移して、頻に窓を開けようとしている....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
った当初の志望こそ外交官であったが、語学の研究のため露西亜文学を渉猟し初してから
何時の間にか露国思想の感化を受けると同時に、それまで潜在していた文学的興味、芸術....
「茸をたずねる」より 著者:飯田蛇笏
待っていて呉れる。この茸は全く人間味を離れて自然の純真な心持を伝え、訪問者をして
何時の間にか仙人化してしまう。その仙人化されてゆくところに私は大なる興味をおぼえ....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
する考えであった。しかるに攻勢初期は予期以上に好結果を得たので、ルーデンドルフは
何時の間にやら最初の目標を変えてソンム南岸に兵を進め、更に大規模な作戦に転じよう....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
は小蒸汽や達磨船である。五大力、高瀬船、伝馬、荷足、田舟などという大小の和船も、
何時の間にか流転の力に押し流されたのであろう。僕はO君と話しながら「※湘のように....