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何程
「何程〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
何程の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
ちにその人の多方面を見ることは、主客、友人として特定時間内に何年逢って居るよりも
何程か多くその人の表裏全幅を知悉し得ると云えよう。私はもはや二十日以上も、麻川氏....
「灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
い日本では西欧知識の断片零楮も猶お頗る愛惜しなければならない。眇たる丸善の損害は
何程でもなかろうが、其肆頭の書籍は世間の虚栄を増長せしむる錦繍|綾羅と違って、皆....
「断層顔」より 著者:海野十三
とも常識的かと思われますが」 「ああ、何を仰有います。警察があたくしたちのために
何程のことをしてくれるものでございましょうか。ただ、徒らにかきまわし、あたくした....
「死者の書」より 著者:折口信夫
尤、寺方でも、候人や、奴隷の人数を揃えて、妨げましょう。併し、御館のお勢いには、
何程の事でも御座りませぬ。では御座りまするが、お前さまのお考えを承らずには、何と....
「湯女の魂」より 著者:泉鏡花
ね、用があるなんざ容易でなさそう。 十六 相手は女だ、城は蝸牛、
何程の事やある、どうとも勝手にしやがれと、小宮山は唐突かれて、度胆を掴まれたので....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
も肯かないで行ったといいます。 ええ、何の知事様から下さるものを、家一つ戴いて
何程の事があろう、痩我慢な行過ぎだと、小腹が立って帰りましたが、それといって棄て....
「端午節」より 著者:井上紅梅
ので、新華門前の泥々の中で軍隊に打たれ、頭を破り、血だらけになった後で、たしかに
何程かの月給が渡った。方玄綽は手を一つ動かさずにお金を受取った。古い借金を少し片....
「勧善懲悪」より 著者:織田作之助
その看板の代金にしたところで……。そんな状態ではいくら総発売元と大きく出しても、
何程の薬をこしらえてみても、……しかも、その薬にしたところで、そろそろ警戒しだし....
「悪因縁の怨」より 著者:江見水蔭
ッカリしていた。 「お嬶さん、今度は私が調べに来たんだ。礼はウンと出すよ。宗匠は
何程出したか知らねえが、この市助はケチな上前なんか跳ねやアしねえ。五十両出すよ、....
「明暗」より 著者:岡本かの子
恥じる日があった。誰もがいつの間にか行く常道、その平凡こそなまじ一個人の計いより
何程かまさった真理を包含しているものなのだろうということを自分自身に感得した智子であった。....
「黄八丈の小袖」より 著者:岡本綺堂
宣告を受けた。 庄三郎下女 きく 此者儀主人庄三郎妻つね
何程申付候うとも、主人のことに候えば致方も可有之の処、又四郎に疵付候段不届至極に....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
だ。「いかに賢うても所詮は異国の人じゃ。物の言いようも風俗も違うた都へのぼって、
何程の働きがなることぞ。まして間者とも細作とも確かに見きわめた証拠もないのに、あ....
「活人形」より 著者:泉鏡花
いましたッけ。「だから、二才の口から当家の秘密を、いいつけたに違いない。「だって
何程のこともあるめえ。と落着く八蔵。得三は頭を振り、いや、他の奴と違う。ありゃお....
「古事記」より 著者:太安万侶
人の男が夜中にたちまち來ました。そこで互に愛《め》でて結婚して住んでいるうちに、
何程もないのにその孃子《おとめ》が姙《はら》みました。そこで父母が姙娠《にんしん....
「絶望より生ずる文芸」より 著者:小川未明
む事も出来得るのである。只だ人生の保証として、又事実として自分の有して居る感覚に
何程の力があるか、此れを考えた時に吾々は斯く思わずには居られない。苟も吾々の肉体....