余の儀[語句情報] » 余の儀

「余の儀〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

余の儀の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
蘭学事始」より 著者:菊池寛
西氏! 今日は、ちと御辺に折り入ってお尋ねしようと思うことがござるのじゃ、それは余の儀ではござらぬ。総体、オランダの文字と申すものは、われら異国の者にも、読める....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
奥の座敷へ通させて、主人の重兵衛が挨拶に出ると、源右衛門は声を低めて話した。 「余の儀でござらぬが、御当家を見込んで少々御相談いたしたいことがござる」 稲川の....
仇討三態」より 著者:菊池寛
「貴僧にききたいことがある」 「なんじゃ」 老僧は落ち着きかえっている。 「余の儀でない。貴僧はもと雲州松江の藩中にて、鳥飼八太夫とは申されなかったか」 ....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
りだすのだろう。 「じつは、高名な先生にお願いの筋がござんして。と、申しますのは余の儀でもござんせん。ここで、分りのいい先生にぐいと呑みこんで頂いて……」 「な....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
ら用いると、気性に促しました。 「時に、目通りの用向きは何じゃな」 「はっ。実は余の儀でござりませぬ。こん日、島津の太守がここを通行の筈にござりまするが、御前は....
天守物語」より 著者:泉鏡花
、五百里、勝手な処へ飛ぶ、とお言いなさるが可い。――用はそれだけか。 図書 別に余の儀は承りませぬ。 夫人 五重に参って、見届けた上、いかが計らえとも言われなか....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
その創口に物を言わせてみれば、わかるはずである」 「怪《け》しからんことを言う、余の儀とは違うぞ、盗賊呼ばわりは聞き捨てならんぞ」 井村は真赤《まっか》になっ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
り直し、真面《まがお》になって、 「ところで今日、こうしてお集まりを願ったのは、余の儀でもございません、さいぜんも申し上げる通り、拙者も近頃、つくづく自分の非を....
後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
者に重罪を申付くるという御法がございましょうか」 奉「黙れ今日其の方に尋ぬるは余の儀ではない、友之助が北割下水にて重傷を負い、其の方宅へ持込まれたと云うは何月....
現代忍術伝」より 著者:坂口安吾
しまして、その後は石川社長にも御無沙汰いたしております。本日参上いたしましたのは余の儀ではありませんが、御遷座に当って、かの正宗菊松をお下げ渡し願いたいと存じま....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
通りの機を得ませんで甚だ不本意の思いを致しておりました。本日参上いたしましたのは余の儀ではございませんが、我々未熟者に御教育の厚志をもって、まげてヤミヨセの儀を....
正雪の遺書」より 著者:国枝史郎
、お聞き届け下されようや? ――と藪から棒に申してはご返答にもお困りであろうが、余の儀ではござらぬ、謀叛遊ばされい!」 「え?」と私は眼を上げて、貴郎のお顔を見....
番町皿屋敷」より 著者:岡本綺堂
母に督促されて、彼はこんなことを静かにいい出した。 「お言葉はよく判りましたが、余の儀とも違いまして、これは一生に一度のこと。喧嘩の相手ならば誰彼れを択びませぬ....
備前天一坊」より 著者:江見水蔭
は声を潜めながらもニコニコ顔で弁じ立てた。 「や、駒越氏には、もう見付られたか。余の儀は知らず女に掛けては恐しく眼の利く御人でがな」と総髪の人は苦笑を禁じ得なか....
小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
言え。聞こう。」と、師直は興がるように首を伸ばして、娘の白い横顔をのぞいた。 「余の儀でもござりませぬが、小坂部に夫を持たせてくださりませ。」 夜風がさっと吹....