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余力
「余力〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
余力の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「二つの道」より 著者:有島武郎
あるようだ。その向きの人は自分の努力に何の価値をも認めていぬ人と言わねばならぬ。
余力があってそれを用いぬのは努力ではないからである。その人の過去はその人が足を停....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
本艦隊及びそれに属する空軍とを撃破し、以て吾が艦隊の不利なる戦績を救済すべし。尚
余力あるに於ては、長駆カシマ灘よりトーキョー湾に進撃し、首都トーキョー及びヨコハ....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
、続いて右足が動き出しても、それが中途で閾に逼えてしまうだろう。だから、後半分の
余力が、その足を軸に廻転を起して、人形の左足がしだいに後退りして行く。そして、完....
「巴里祭」より 著者:岡本かの子
たら、生活それだけで日々の人生は使い尽される。その上職業とか勉強とかに振り分ける
余力はない。新吉はすっかり巴里の髄に食い入ってモンマルトルの遊民になった。次の年....
「婦人の天職」より 著者:堺利彦
務に服すべし。たとえば、男子は米を作り、女子は子を産み、しかして男女共にその余暇
余力をもって文学、美術、音楽、宗教、哲学、科学等のことを学ぶべしというなり。論者....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
ているという事は何らかの場合に公務を弁ずるという請負として貰っているので、それの
余力で家族を養うという事になっていたので、藩のために旅行するも公務の一部で、旅費....
「浅間山麓より」より 著者:寺田寅彦
しかし噴火口から流れ出した熔岩は、重力という「鬼」の力で押されて山腹を下り、その
余力のほんのわずかな剰余で冷却固結した岩塊を揉み砕き、つかみ潰して訳もなくこんな....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
けるようなり、中には前々からの関係で断りにくい場合もあったが、私は店にそれだけの
余力がないことを話してお断りし、その他の臨時の註文も店の製造能力から考えて、無理....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
素に製造全能率、販売全能率を挙げつつあるならば、決してそこに大売出しを企てるべき
余力が生じて来ぬ。またそれを強いて企てるべき必要もない。一ヶ年を通じて、平均的に....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
れだけに、重荷を背負って遠い途にかしまだちするようにも感ぜられる。またそれだけの
余力がこの老年の身にもなお残っていたのかということが訝かしくも感ぜられる。いずれ....
「映画と民族性」より 著者:伊丹万作
ある。自己の民族への奉仕をまつとうし、民族芸術としての責務をはたしたうえ、さらに
余力をもつて国境を越えて行くなら、それはよろこばしいことであるが、最初から他の民....
「夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
と云う事になるのだけれど、最後に筋肉をかき切って支柱が外れた際――その時、捻った
余力で直角に廻転して墜落したのだった。そして、その肩口をハッシと受け止めたと云う....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
勝伯が一|身を以て万死の途に馳駆し、その危局を拾収し、維新の大業を完成せしむるに
余力を剰さざりし所以にあらずや云々」とは評論全篇の骨子にして、論者がかかる推定よ....
「層雲峡より大雪山へ」より 著者:大町桂月
る処に至れば、先んじて登攀して、後より来る者を引き上ぐ。余一行に尾す。急がずして
余力を存し、かつ静かに風景を味う也。一瀑を登りしに、また一瀑あり。その間の渓流の....
「大利根の大物釣」より 著者:石井研堂
は、一気直に海洋まで逸し去らんとするものの如く、綸の弾力部を全く引き尽して、また
余力を存せず、屡、奇声を発す。されども、暗中ながら、綸を紊すことも無く、力に従い....