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余沫
「余沫〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
余沫の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「琥珀のパイプ」より 著者:甲賀三郎
き払って仕舞うがよい」 大佐は夜警問題で又松本にやり込められたのであろう。その
余沫を、いつも彼の嘲罵の的になっている福島と云う青木の家と丁度背中合せで、近頃新....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
面白そうだ」 竜之助は、微笑を以て言下に果し合いの申込みを引受けて、その微笑の
余沫《とばしり》を冷やかに壮士の面《かお》に投げる。壮士も剛胆なもので、従容自若....
「公孫樹」より 著者:豊島与志雄
くと、あたり一面に水だった。蒸汽ポンプが来て、隣家は四方から水を浴びていた。その
余沫が頻に飛んで来るのを覚えると同時に、顔一杯に火のほてりを感じた。そしてあたり....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
とってはことに尊く思われるものである。彼らはそれから何かを受ける。哲学者が称号の
余沫《よまつ》とでも呼びそうなものを、彼らは自分の身にまとって喜ぶ。ついでに言う....
「芳川鎌子」より 著者:長谷川時雨
でのことや、疵《きず》の経過のことまでが、一々洩れなく伝えられた。そのためには、
余沫《よまつ》をうけて書かでもがなの人のことや秘事までが出されたりして、余計にそ....
「魔都」より 著者:久生十蘭
は抉り取られ、空洞になった眼窩には、タップリと血潮が湛えられ、そこから流れ出した
余沫が、口から溢れ出る血と合流して首筋の方へ滴り落ちている。腕も手も胸も無惨なま....