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余焔
「余焔〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
余焔の前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「雛妓」より 著者:岡本かの子
並で山下通りの電車線路の近くは、表町通りの熾烈なネオンの光りを受け、まるで火事の
余焔を浴びているようである。池の縁を取りまいて若い並木の列がある。町並の家総体が....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
。 小路を抜け出した正面に、原加賀守の屋敷があり、焚きすてられた焚火の火が、尚
余焔を上げていた。 その火影に照らされて、しょんぼりと立った人影は、他ならぬ三....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
て、宜黄というところへ行って或る家に雇われていたが、やはり実家が恋しいので、もう
余焔の冷めた頃だろうと、のそのそ帰って来たのであることが判った。して見ると、前の....
「三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
見てやりたいが、それでは世間が承知しない。俺は決してお前を憎むのではないが暫らく
余焔の冷めるまで故郷へ帰って謹慎していてもらいたいといって、旅費その他の纏まった....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
ものをいわせているものは、実際は未来であるよりも過去であった。――中世紀の最後の
余焔が、エセックスという尖端的な文芸復興期の児の貴族の心中にまだ燃えて熄まないの....