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作り事
「作り事〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
作り事の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
色黒うして足手細し。人にして人に非ず。」と云うのですが、これも大抵《たいてい》は
作り事です。殊に頸《くび》が細かったの、腹が脹《は》れていたのと云うのは、地獄変....
「或る女」より 著者:有島武郎
子のほうにさし出した。葉子は黙って立ったまま手を延ばした。何をするにも心にもない
作り事をしているようだった。この短い瞬間に、今までの出来事でいいかげん乱れていた....
「熊の出る開墾地」より 著者:佐左木俊郎
えてやるのさ。――貴様は、自分の親父が殺された時の、本当のことを知らねえで、村の
作り事ばかり信じてるから、自分の恨みせえ晴らせばいいと思っていんだべが……」 「....
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
ハハハハそう真面目《まじめ》にならなくっても好い。実は嘘《うそ》だ。全く兄さんの
作り事さ」 「悪《にく》らしい」 糸子はめでたく笑った。 十一....
「白髪小僧」より 著者:杉山萠円
い筈だ。その掟は矢張り嘘の掟だからだ。貴様の先祖から代々貴様までも、根も葉もない
作り事をして、俺にこのような貴い有り難い宝物《ほうもつ》を近づけぬようにして、自....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
声に恨みを含んでいるらしいのが、お徳をいよいよ恐れさせた。あるいはその夢ばなしは
作り事で、この女はかのむらさき鯉に何かの因縁のあるものではあるまいかという疑いも....
「金鳳釵記」より 著者:田中貢太郎
ておる」 「お家の恥辱になることですから、そうおっしゃるでしょうけれども、夢でも
作り事でもありません」 「そんなばかばかしいことはない、確かに女は寝ておる」 「....
「傾城買虎之巻」より 著者:直木三十五
一頭ぽかりとやっておいて、死骸を通仙の門口へ置いておいた。 私はこの話を誰かの
作り事であると云っておいたが、この鹿殺しなどもよく出てくる手である。 「やあ鹿が....
「藤棚の陰から」より 著者:寺田寅彦
歩いている人の思っていることをあてる男の話があるが、あれはいかにももっともらしい
作り事である。しかしまんざらのうそでもないのである。 二 睡蓮を....
「ピタゴラスと豆」より 著者:寺田寅彦
伝えられている。これではまるで詐欺師であるが、これはおそらく彼の敵のいいふらした
作り事であろう。 ピタゴラス派の哲学というものはあるが、ピタゴラスという哲学者....
「寄席と芝居と」より 著者:岡本綺堂
て、かの「牡丹燈籠」を口演するというので、私はその怪談の夜を選んで聴きに行った。
作り事のようであるが、恰もその夜は初秋の雨が昼間から降りつづいて、怪談を聴くには....
「西鶴と科学」より 著者:寺田寅彦
て可笑しい。また有名な「三人一両損」の裁判でもこれを西鶴に扱わせるとその不自然な
作り事の化けの皮が剥がれるから愉快である。勿論これらの記事はどこまでが事実でどこ....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
、始めて収めえたる数十篇である。その一つ一つが珠玉を聯ねて編み成されている。多少
作り事の嫌いがあると疑うものがあれば、それは短見であろう。試にその珠玉の一つを取....
「くろん坊」より 著者:岡本綺堂
ないが、その附近の地理なども相当にくわしく調べて書いてあるのを見ると、全然架空の
作り事でもないらしく思われる。元来ここらには黒ん坊の伝説があるらしく、わたしの叔....
「反省の文学源氏物語」より 著者:折口信夫
つの例に取って、示している事になる。 皮相な見方をすれば、源氏物語は水のあわした
作り事であるとは言える。又若い頃の悪事が、再自分の身に報いて来る因果応報の物語で....