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佳人
「佳人〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
佳人の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
ょうおう》の名高い句碑が萩の中に残っている、いかにも風雅な所でしたから、実際才子
佳人の奇遇《きぐう》には誂《あつら》え向きの舞台だったのに違いありません。しかし....
「春の潮」より 著者:伊藤左千夫
人は今日の疲れをいやし、二階の表に立って、別天地の幽邃に対した、温良な青年清秀な
佳人、今は決してあわれなかわいそうな二人ではない。 人は身に余裕を覚ゆる時、考....
「河明り」より 著者:岡本かの子
来半島の島角に近づきつつあるのです。送るのは水平線上の南十字星、迎えるのは久恋の
佳人。いいですな。木下君は今や人間のありとあらゆる幸福を、いや全人類の青春を一人....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
ていた。そして、精緻な輪廓に包まれ、捲毛の金髪を垂れているのが、トレヴィーユ荘の
佳人テレーズ・シニヨレの精確な複製だったのである。光をうけた方の面は、今にも血管....
「脳の中の麗人」より 著者:海野十三
度で、宮川は退院した。 病院の門を出て、彼が一つの町角を曲ると、そこには洋装の
佳人が待っていて、いきなり彼にとびついた。それは外ならぬ山崎美枝子だったのである....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
げに、ただ肩を細く、さしうつむいた黒髪に包んで、顔も上げない。まことにしとやかな
佳人であった。 この片袖が、隣席にさし置かれた、他の大革鞄の口に挟まったのであ....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
の、その人やがて都の華族に嫁して以来、十数年間|一度もその顔を見なかった、絶代の
佳人である。立花は涙も出ず、声も出ず、いうまでもないが、幾年月、寝ても覚ても、夢....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
御器量の日の御子、又お妃は、しとやかなお姿の中に凛々しい御気性をつつまれた絶世の
佳人、このお二人が一と目見てお互にお気に召さぬようなことがあったら、それこそ不思....
「バークレーより」より 著者:沖野岩三郎
ヨネ・ノグチ氏が、がた馬車に乗って町へ買物に出た光景が想像される。 東海散史の
佳人の奇遇に出ているというミルキン湖も、ここも同じ公園ではあるが、ミルキン湖の美....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
夕闇が迫るころ、イカバッドはヴァン・タッセルの城に到着した。すでに近隣の才子
佳人が大ぜい集っていた。年とった農夫たちは、鞣皮のような痩せた顔をして、ホームス....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
伏姫 念珠|一串水晶明らか 西天を拝し罷んで何ぞ限らんの情 只道下|
佳人命|偏に薄しと 寧ろ知らん|毒婦恨平らぎ難きを 業風過ぐる処花空しく落ち 迷....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
|人、右に宿直の国手が彳んで、その傍に別に一人、……白衣なるが、それは、窈窕たる
佳人であった。 その背後に附添ったのが、当院の看護婦長。 入口を背にして、寝....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
持って、ここに擲って差支えのない金員あり。もって、余りに頼効なき虚気の罪を、この
佳人の前に購い得て余りあるものとしたのである。 問われてお杉は引取って、 「ち....
「四十年前」より 著者:内田魯庵
文の意見書を提出したので、国論忽ち一時に沸騰して日本の危機を絶叫し、舞踏会の才子
佳人はあたかも阪東武者に襲われた平家の公達上※のように影を潜めて屏息した。さすが....
「古事記」より 著者:太安万侶
橿原《かしはら》の宮において天下をお治めになりました。 神の御子 ――英雄や
佳人などを、神が通つて生ませた子だとすることは、崇神天皇の卷にもあり、廣く信じら....