佳境[語句情報] »
佳境
「佳境〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
佳境の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「葱」より 著者:芥川竜之介
タア・ダグラス・フェアバンクスと森律子嬢《もりりつこじょう》との舞踏が、いよいよ
佳境に入ろうとしているらしい。……
が、おれはお君さんの名誉のためにつけ加える....
「牛肉と馬鈴薯」より 著者:国木田独歩
あります」と岡本は真面目で語り出《いだ》した。 「愉快々々、談|愈々《いよいよ》
佳境に入《い》って来たぞ、それからッ?」と若い松木は椅子を煖炉《ストーブ》の方へ....
「外科室」より 著者:泉鏡花
て、ほとんど心臓まで寒くなりぬ。 三|秒《セコンド》にして渠が手術は、ハヤその
佳境に進みつつ、メス骨に達すと覚しきとき、 「あ」と深刻なる声を絞りて、二十日以....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
捻《ひね》りつつ腕を拱《こまぬ》けり。例の「なるほど」は、談《はなし》のますます
佳境に入るを楽しめる気色《けしき》にて、 「なるほど、これだから裁判はむずかしい....
「放浪」より 著者:織田作之助
ていた。客の数も増え、いよいよ始った。ラムネをのみ、フライビンズをかじり、写真が
佳境にはいって来ると、よう! よう! ええぞとわめいてあたりの人に叱られた。美し....
「ある崖上の感情」より 著者:梶井基次郎
一緒にそこへ行ってみる気はありませんか」 「それはどちらでもいいが、だんだん話が
佳境には入《い》って来ましたね」 そして聴き手の青年はまたビールを呼んだ。 「....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
回が血腥く、いかに素晴らしい大修羅場が次々に行われ演ぜられるか? いよいよ物語は
佳境に入った。 一七 奇蹟を行う力があると、葉之助は自分を信....
「ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
ある。 母はどこへいったか姿が見えない、父と土井老人は酒を飲みながら話はよほど
佳境に入ったらしい。 「心配するなよ、なんでもないさ、そんな小さな量見では天下が....
「曼珠沙華」より 著者:斎藤茂吉
る。この新鮮な近代的交錯は、藤原奈良の歌人も、元禄の俳人もついに知らずにしまった
佳境である。....
「酒ぎらい」より 著者:太宰治
わりで、不潔で、気が散って、いけない、四人で二升は、不足かも知れない。談たまたま
佳境に入ったとたんに、女房が間抜顔して、もう酒は切れましたと報告するのは、聞くほ....
「アインシュタイン」より 著者:寺田寅彦
気取ったようなところはない。謙遜で、引きしまっていて、そして敏感である。ただ話が
佳境に入って来ると多少の身振りを交じえる。両手を組合したり、要点を強めるために片....
「現代忍術伝」より 著者:坂口安吾
戦意にもえると、益々ニヤリニヤリと、そして、下っ腹にグッと力をいれる。そして戦闘
佳境にいるや、ヤセッポチの肩をいからせて、グッとそりかえって、腕をくむクセがあっ....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
込んできたので、鶴見はそこそこに湯から上った。もっと詳しく話を聞けば同気相求めて
佳境に入ったでもあろうにと、それなりになったのを、口惜しくも思っている。 泡盛....
「放浪」より 著者:織田作之助
いた。客の数も増え、いよ/\始まった。ラムネをのみ、フライビンズをかじり、写真が
佳境にはいって来ると、よう! よう! えゝぞとわめいて四辺の人に叱られた。美しい....
「新古細句銀座通」より 著者:岸田劉生
のわきに端座し銭をとって今日のレシーバーの役目をする長いゴムの管を客の耳に貸し、
佳境に至ると大声をあげて「コライ」とはやし、他の客のきき慾をそそっていた男があっ....