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併
「併〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
併の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
然であった。彼はついに枕《まくら》を噛《か》みながら、彼自身の快癒を祈ると共に、
併せて敵《かたき》瀬沼兵衛《せぬまひょうえ》の快癒も祈らざるを得なかった。
が....
「毛利先生」より 著者:芥川竜之介
の心もちは、道徳の上で丹波先生を侮蔑《ぶべつ》すると共に、学力の上では毛利先生も
併せて侮蔑していたとでも説明する事が出来るかも知れない。あるいはその毛利先生に対....
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
い、土埃《つちほこり》になりたる人々の色身《しきしん》を、もとの霊魂《アニマ》に
併《あわ》せてよみ返し給い、善人は天上の快楽《けらく》を受け、また悪人は天狗《て....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
《うかが》っている。彼は放埓《ほうらつ》を装って、これらの細作の眼を欺くと共に、
併せてまた、その放埓に欺かれた同志の疑惑をも解かなければならなかった。山科《やま....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
ない訳ではない。が、林右衛門は、それを「家」に関《かかわ》る大事として、惧れた。
併し、彼は、それを「主《しゅう》」に関る大事として惧れたのである。
勿論、「家....
「さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
って、二つながら解決された事を公表したいのである。そうして、その古文書の内容をも
併せて、ここに公表したいのである。まず、第一に自分の懐いていた、二つの疑問とは何....
「或る女」より 著者:有島武郎
なく詳細の記事を掲げて畜生道《ちくしょうどう》に陥りたる二人《ふたり》を懲戒し、
併《あわ》せて汽船会社の責任を問う事とすべし。読者請う刮目《かつもく》してその時....
「追憶」より 著者:芥川竜之介
「これは僕の君に上げる最後の手紙になるだろうと思う。僕は喉頭結核の上に腸結核も
併発している。妻は僕と同じ病気に罹り僕よりも先に死んでしまった。あとには今年五つ....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
らなかった。それが一体何になろう。これほど体裁のいい外貌と、内容の空虚な実質とを
併合した心の状態が外にあろうか。この近道らしい迷路を避けなければならないと知った....
「『聖書』の権威」より 著者:有島武郎
きな芸術です。然し聖書の内容は畢竟凡ての芸術以上に私を動かします。芸術と宗教とを
併説する私の態度が間違って居るのか、聖書を一箇の芸術とのみ見得ない私が間違って居るのか私は知りません。(大正五年十月)....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
完了した頃に太陽系に侵入してきた。しかして著しく速度を減殺されたために太陽系中に
併合されてしまったが、それでもその著しく円形とはちがった長みのある軌道を保ってい....
「猫と色の嗜好」より 著者:石田孫太郎
張り野蛮人にも及ばぬ猫のことなれば、其好む所の色は燃ゆるが如き赤色であるらしい、
併し是れは確乎としたことは言えないが、数回の調査は殆ど一致して居るから、先ず斯様....
「一利己主義者と友人との対話」より 著者:石川啄木
たのは、「なり」「なりけり」と「だ」「である」だけだ。それもまだまだ文章の上では
併用されている。音文字が採用されて、それで現すに不便な言葉がみんな淘汰される時が....
「佐藤春夫氏の事」より 著者:芥川竜之介
せざると同時に、大石内蔵助を撲殺するも顧る所にあらず。佐藤の一身、詩仏と詩魔とを
併せ蔵すと云うも可なり。 四、佐藤の詩情は最も世に云う世紀末の詩情に近きが如し....
「大利根の大物釣」より 著者:石井研堂
』と叫びながら、両手にて手繰り始むれば、船頭直ちに、他の一仕掛を挙げ尽し、鈴をも
併せ去りて、搦まるを予防しつつ、 『大きがすか。』という。身を少し前に屈め、両手....