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併呑
「併呑〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
併呑の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
る、気楽はしだいしだいに膨脹《ぼうちょう》するように見えた。自分でも「こうなりゃ
併呑自若《へいどんじじゃく》たるもんだ。明日《あした》免職になったって驚ろくんじ....
「浮浪漫語」より 著者:辻潤
うな境地にならなければ駄目らしい。そして、更に「大千沙界一筒自由身」になり「無底
併呑尽十方」になれば申し分がないのであろう。 「酔生夢死」という言葉がある。僕....
「法窓夜話」より 著者:穂積陳重
覧強記の点において古今その比を見ない人と言ってよかろう。ギボンは彼を評して「世界
併呑の鴻図《こうと》を懐き偉業未だ成らずして中道にして崩じたる古代の英主の如し」....
「鼻の表現」より 著者:夢野久作
精神的にも物質的にも茫々たる不毛の国土を開拓して、隆々たる文化を育みつつ、世界を
併呑すべく雄視した鼻がありました。 高潔|沈毅な鼻の表現に万軍の信頼を集めつつ....
「黙示のページ」より 著者:横光利一
う。今や明日の文学は、その終局の統率的使命を以て、健康に剛健に、朗々として政治を
併呑しなければならない。黙示の頁を剥奪すべき勇敢なる人々は、大いなる突喊の声を持たねばならぬ。....
「労働者農民の国家とブルジョア地主の国家」より 著者:宮本百合子
の半封建的搾取、労働者の殖民地的搾取、国外においては、暴力的・軍事的に隣接民族を
併呑《へいどん》、侵略、殖民地化して、成長してきたのである。そして、有名な「田中....
「生活のなかにある美について」より 著者:宮本百合子
けられないでいる傾きもある。 世の中の勢は益々画一へ向い、工場でも小さな工場は
併呑されて消えて行っている一方で、人々の感情に郷土的な品物や極めて手工業的な製作....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
敵愾心《てきがいしん》を持っていたことは争われないと思われる。
舞踊は西川流に
併呑され、或いは合流されて行くうちに、この二人の花形がようやく老いゆきて、舞踊か....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
との息吹《いぶ》きによって、それはやはり彼にとって神聖な書物だった。信仰のうちに
併呑《へいどん》された土地、鼓動してる山嶽《さんがく》、歓喜してる空、人間の獅子....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
松屋等に得意を割かれしは著しきものである。かくして強はますます弱を凌ぎ、大は小を
併呑し、結局資本と資本の競争となるだろうと思われる。ゆえに資本の少なき者が、この....
「新疆所感」より 著者:日野強
新疆の如きまた彼が多年垂涎する所にして、これがためには新疆の死命を制しある伊犂を
併呑するのもっとも捷路たるべきは、彼がすでに看破したる所ならざらんや。往年露国が....
「今昔茶話」より 著者:国枝史郎
戦国の七雄――秦、楚、斉、燕、韓、魏、趙、これらの国のうち六国が亡びて、秦に
併呑されたのは、けっきょく、縦横の説を説いた蘇秦と張儀とのためだということになる....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
先ず広い海に往って始めるのだ。
最初は小さい所から遣り出して、
極小さいものを
併呑して恐悦がる。
それから段々大きくなって、
うわ手の為事が出来るように成り上....
「三国志」より 著者:吉川英治
淇水と白溝をつなぐ運河の成るに及んで、 「曹操の野望は大きい。彼は近く冀州全土を
併呑せんという大行動を起すにちがいない」 と、察して、袁尚へ献言し、まず檄を武....
「三国志」より 著者:吉川英治
、周瑜も、気軽に笑って、戯れた。 「どう致しまして――。とんでもない。呉が荊州を
併呑せんと望んでいたことは実に久しいものです。いま、南郡はすでに、呉の掌にあるも....