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使い走り
「使い走り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
使い走りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
《まっしぐら》に板橋を渡りはじめていた。そして危くむこうからも急ぎ足で来る人――
使い走りをするらしい穢《きた》ない身なりの女だったが――に衝きあたろうとして、そ....
「貨幣」より 著者:太宰治
りゆきに、つい自己嫌悪しちゃいましたわ。東京へ帰って来てからは私はただもう闇屋の
使い走りを勤める女になってしまったのですもの。五、六年東京から離れているうちに私....
「乞食学生」より 著者:太宰治
字だらけじゃないか、と思っているに違いない。ああ、印刷所では、私の無智の作品は、
使い走りの小僧にまで、せせら笑われているのだ。ついに貴重な紙を、どっさり汚して印....
「水仙」より 著者:太宰治
てやって下さい」と手紙でたのんで来ているのだが、僕は、動きたくなかった。お金持の
使い走りは、いやだった。「僕は奥さんに、たいへん軽蔑されている人間ですから、とて....
「灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
ら、タイピストは私に、コッピーのよみあわせをしてくれと頼みに来るし、営業の人は、
使い走りを命令し、会計は、銀行ゆきをしてくれという。毎日のいそがしさは、五時から....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
彼女《あいつ》の友だちの上靴も磨いてやろうし、湯沸《サモワール》の火もおこそう、
使い走りだっていとやしないよ……」
「カテリーナ・イワーノヴナは何もかもわかって....
「女心の強ければ」より 著者:豊島与志雄
御不自由でしょうけれど、御用はなんでも仰言って下さい。隣りの百姓家のお上さんも、
使い走りをしてくれますから。」 眼を外らさずにじっと見て、てきぱきした語調であ....
「聖女人像」より 著者:豊島与志雄
んのでしょう。」 その馬鹿が、薪を割ったり、お釜の下を燃やしたり、ちょっとした
使い走りをしたりして、家の者にはいくらか役に立っているらしい。 私は時々ばかば....
「文化祭」より 著者:坂口安吾
気にはお構いなく、甚だ率直にその唯物的な問題をきりだした。 「幹事は幹事ですが、
使い走りですね。大学卒業生は農村では他国者のようなものでしてね。実権は持てないの....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
して、 「荷物の手伝い? それはもう人をやとってあるんじゃ。」 「そんなら、何か
使い走りでもさして下さい。何でもやります。」 今度は、新賀が言った。 「うむ。....
「春宵因縁談」より 著者:佐藤垢石
味があるのである。頼母木は書生であったから朝な夕な、葦城邸の掃き拭きから水汲み、
使い走り身の労苦を惜しまなかった。両の手の甲にひびが裂れていたことであろう。 ....
「小説 円朝」より 著者:正岡容
か、きょうこのごろではいままではおしのさんのやっていたろう拭き掃除から御飯炊き、
使い走り、そういう落語へでてくる権助のような間抜な役廻りのことばかり、ことごとく....
「今日になるまで」より 著者:上村松園
た。四条御幸町の角に吉勘と言って錦絵の木版画や白描を売っている店がありましたが、
使い走りをした時などここで絵を買うて貰うのが一番好きなお駄賃でした。 また四条....
「城」より 著者:カフカフランツ
具の、ちょっとした修理をやり、校庭に通じている道を除雪し、私と女の先生とのために
使い走りをし、暖かい季節には庭仕事を全部やらなければなりません。そのかわり、あな....
「審判」より 著者:カフカフランツ
であって、そうすれば彼らもいっしょに笑いだすことだろう。おそらくこの連中は町角の
使い走りの男たちなのだ。そう言えば、彼らに似ていないこともない。――それにもかか....