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「使部〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

使部の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
青春の逆説」より 著者:織田作之助
ぐ要はあるまい) とくぐった途端、ガーンと銅鑼の音が鳴った。一人くぐる毎に、小使部屋で誰かが鳴らしているらしかった。 (流行らぬ寄席か化物屋敷じゃあるまいし…....
朱日記」より 著者:泉鏡花
の声も澄渡って手に取るようだし、広い職員室のこの時計のカチカチなどは、居ながら小使部屋でもよく聞えるのが例の処、ト瞻めても針はソッとも響かぬ。羅馬数字も風の硝子....
田舎教師」より 著者:田山花袋
がある。縞の単衣に古びた透綾の夏羽織を着て、なかばはげた頭には帽子もかむらず、小使部屋からこっそりはいってきて、「清三はいましたか」と聞いた。初めはさすがにこう....
大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
ある。昔の祝膳だけはそれでも並べて見るが、畳敷の洋館へ出た朱塗りの膳は、警察の小使部屋の正月を思わせる。屏風も立てず、松竹梅もない。勿論廻礼もしない。用事がない....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ま眠っているに違いないから、それを起すのも気の毒だ。 そこで、茂太郎はまず、小使部屋へ飛び込んだ。見ると、そこの炉辺に、思いがけない人が一人いるのを認めました....
鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
以前藩庁の建っていた三の丸が焼けた。これは大賄所という支度を司る役所の引けた後小使部屋から出火したので、既に私どもは退庁していたが、聞くと直に馳け付けたけれど、....
過渡人」より 著者:豊島与志雄
、あの年とった小使夫婦をあんなにお世話なすったんじゃありませんか。私はあの穢い小使部屋を覗いた時の印象をまだ忘れません……。そして会社の者がお父さんを下から見上....
雪霊続記」より 著者:泉鏡花
これを聞きました。 私は眠るように、学校の廊下に倒れていました。 翌早朝、小使部屋の炉の焚火に救われて蘇生ったのであります。が、いずれにも、しかも、中にも恐....
一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
分の註文があった。ところがその後へ小使いが来て『今日寄宿舎に入る四十円の一割を小使部屋へ渡してもらいたい、八人で分ける』という。私は、学生さんから直接の註文であ....
死体室」より 著者:岩村透
ろして、二階から下りて来ると、その下にある中庭の直ぐ傍の、薄暗い廊下を通って、小使部屋の前にくると内で蕭然と、小使が一人でさも退屈そうに居るから、弟も通りがかり....
間人考」より 著者:喜田貞吉
分がさきに「民族と歴史」を発行した当時、その第一巻第一号(大正八年一月)に、「駆使部と土師部」と題して簡単に説き及んでおいたことであったが、その後に阿波の田所市....
賤民概説」より 著者:喜田貞吉
ハセツカベ」が、すなわち「間人」であることが知られる。 ハセツカベはすなわち駆使部で、「日本紀」には「駈使奴」などいう文字を用い、普通に姓氏としては「丈部」ま....
俗法師考」より 著者:喜田貞吉
の掃除をなし、また朝夕、京田舎以下の召仕用に使役せられたとある。いわゆる浄人や駆使部のようなものであった。なおその使役の実例としては、この年八月十日天満社の参礼....
雷門以北」より 著者:久保田万太郎
敷の隠居で、始終その子に附いて来てはとも/″\一日学校にいた。外の附添いたちと小使部屋の一隅を占めて宛然「女王」の如くにふるまっていた。小使なんぞあごでみんなつ....
魯迅さん」より 著者:内山完造
くの家の近いところに、花園荘というぼくの友達のやっているアパートがある。そこの小使部屋をあけさせてワザワザボーイの部屋に魯迅親子三人をかくしたのです。そのときは....