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例外
「例外〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
例外の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
ことは出来なかった。標準は只《ただ》それだけだった。しかしやはりこの標準にも全然
例外のない訣《わけ》ではなかった。それは彼の友だちと彼との間を截断《せつだん》す....
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
出る時には大抵彼のことを忘れていた。尤《もっと》も彼の故|朋輩《ほうばい》だけは
例外だったのに違いなかった。「あの爺さんも本望だったろう。若い妾《めかけ》も持っ....
「河童」より 著者:芥川竜之介
ら、机の上の紙をとり上げました。僕らは皆|頸《くび》をのばし、(もっとも僕だけは
例外です。)幅の広いマッグの肩越しに一枚の紙をのぞきこみました。
「いざ、立ち....
「少年」より 著者:芥川竜之介
吉《やすきち》とも四人しかいない。それも金釦《きんボタン》の制服を着た保吉一人を
例外に、あとはことごとく紺飛白《こんがすり》や目《め》くら縞《じま》の筒袖《つつ....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
違ない。つまりあらゆる情熱は死よりも強いものなのであろう。(勿論死に対する情熱は
例外である。)且《か》つ又恋はそう云うもののうちでも、特に死よりも強いかどうか、....
「手紙」より 著者:芥川竜之介
ぎながら、松林の中を歩いていました。僕等は?――もっともM子さんのお母さんだけは
例外です。この奥さんは年よりは少くとも十《とお》ぐらいはふけて見えるのでしょう。....
「或る女」より 著者:有島武郎
よしと見るものは岡もよしと見た。葉子の憎むものは岡も無条件で憎んだ。ただ一つその
例外となっているのは愛子というものらしかった。もちろん葉子とて性格的にはどうして....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
、偽善者の一人なる私が、義人に申し出たいと思わずにはいられないのだ。 何事にも
例外はある。その
例外を殊更に色濃く描くのをひかえて見て貰ったら、偽善者というもの....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
とは反対に非常に離心的であるという事実は、我々の遊星系の著しい規則正しさがむしろ
例外の場合だということの証拠とも見られる。しかしこれは決して必然な証拠にはならな....
「新日本の進路」より 著者:石原莞爾
前進をなし得ず、ナチに最も似た形式の獨裁的運營を行い、專制主義に後退した。唯一の
例外に近きものは三民主義の中國のみである。かく觀じ來れば、世界は今日、統制主義の....
「顔の美について」より 著者:伊丹万作
の人の声を聞いてほぼどの程度の教養の人かを察することができる。 もつとも時たま
例外がある。 たとえば私の知つている某氏の場合である。 その顔は有島武郎級の....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
に人霊の数が加わると共に、守護霊はそれ等の中から選ばれるようになりました。むろん
例外はありましょうが、現在では数百年前乃至千|年二千|年前に帰幽した人霊が、守護....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
の指導を受くる人物とは、通例ある不可分の因縁関係を以て結ばれている。が、時にその
例外がないでもない。或る霊は、人間の指導が巧みである為めに特に選抜される。或る霊....
「雑文的雑文」より 著者:伊丹万作
うことを暗示する点からいつてもはなはだ効果的である。 いずれにしてもごく少数の
例外を除くところの日本の森羅万象がアツという間もなく、忽然としてろくでなしの範疇....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
問題であり、日本民族も明治以来朝鮮、台湾、満州国に於て他民族との協同に於て殆んど
例外なく失敗して来たった事を深く考え、皇道に基づき正しき道義観を確立せねばならぬ....