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供え
「供え〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
供えの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
げどう》の類《たぐい》を信仰せられて、その形になぞらえた木石にも香花《こうげ》を
供えられる。かくてはやがて命終《めいしゅう》の期《ご》に臨んで、永劫《えいごう》....
「菎蒻本」より 著者:泉鏡花
す。」 「お蝋を持って行くであすか。ふうむ、」と大く鼻を鳴す。 「それも、一度お
供えになりました、燃えさしが願いたいのでございまして。」 いや、時節がら物騒千....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
の身のそのうつくしく艶かなりし鳩尾一斤の肉を買いしなり。諸人の、諸人の眼の犠牲に
供えむとて。 売られし小六はおさなきより、刻苦して舞を修めし女ぞ。かくて十年二....
「天守物語」より 著者:泉鏡花
ほどなくお帰りでござんしょう。――皆さんが、御心入れの御馳走、何、秋草を、早くお
供えなさるが可いね。 女郎花 それこそ露の散らぬ間に。―― 正面奥の中央、丸柱の....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
あろう。菩薩の壇にビスケットも、あるいは臘八の粥に増ろうも知れない。しかしこれを
供えた白い手首は、野暮なレエスから出たらしい。勿論だ。意気なばかりが女でない。同....
「化銀杏」より 著者:泉鏡花
らず。甚しいかなその念の深く刻めるや、おのが幾年の寿命を縮め、身をもて神仏の贄に
供えて、合掌し、瞑目して、良人の本復を祈る時も、その死を欲するの念は依然として信....
「半島一奇抄」より 著者:泉鏡花
、まだ新しいのが、ひたと鎖されて、緋の椿の、落ちたのではない、優い花が幾組か祠に
供えてあった。その花には届くが、低いのでも階子か、しかるべき壇がなくては、扉には....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
た莞爾しながら、翳した袖を胸に返して、袂の先を軽くなぶった。 「天狗様が拵えて、
供えたんですがね。よく、烏が啣えて行かなかったこと。――そこいらの墓では、まだ火....
「夫人利生記」より 著者:泉鏡花
も、今もかわりはない。緒に結んだ状に、小菊まじりに、俗に坊さん花というのを挿して
供えたのが――あやめ草あしに結ばむ――「奥の細道」の趣があって、健なる神の、草鞋....
「夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
お供物だと血迷っての、犬の首、猫の頭、目を剥き、髯を動かし、舌をべらべら吐く奴を
供えるわ。胡瓜ならば日野川の河童が噛ろう、もっての外な、汚穢うて汚穢うて、お腰元....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
のようですわね。」 「お燈明。」 「ええ、ねえ、ごらんなさい、この松には女の乳を
供えるんです。」 「飛んでもない、あなたの乳なぞ。……妬ける、妬けます。」 と....
「縷紅新草」より 著者:泉鏡花
がこの大城下によく通る。 去ぬる……いやいや、いつの年も、盂蘭盆に墓地へ燈籠を
供えて、心ばかり小さな燈を灯すのは、このあたりすべてかわりなく、親類一門、それぞ....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
養あり。信者争って寺にまいり、その供養の分配を待つ。あたかもわが神道にて、神前に
供えたる餅もしくは酒を、参詣のものに配与するに異ならず。ローマ宗にては、堂内こと....
「妖怪玄談」より 著者:井上円了
か、菓子を御好みか』とたずねたれば、『酒を好む』と答えたり。よって、酒をその前に
供えていろいろのことを問い始めたり。まず、その隣家に重病のものと軽症のものとの二....
「阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
。一人の女があればこそだ。子が断え孫が断えてしまったら、死んだあとで一碗の御飯を
供える者がない。……一人の女があればこそだ」 一体「不孝には三つの種類があって....