供える[語句情報] »
供える
「供える〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
供えるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
あとで、千枝松と藻とは手をひかれて近所の小川のふちに立った。今夜は十三夜で、月に
供える薄《すすき》を刈りに出たのであった。 幅は三|間《げん》に足らない狭い川....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
」 「土蔵の中には大きな蛇が祀《まつ》ってあるんだそうで……。それに三度の食物を
供える。それには男の肌を知らない生娘《きむすめ》でなければいけないというので、お....
「聖書の読方」より 著者:内村鑑三
を此種の研究に消費せんと欲するならば路加伝の左の章節は甚大なる黙想の材料を彼等に
供えるであろう。 路加伝に依る山上の垂訓。六章二十節以下二十六節まで、馬太伝のそ....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
、あるいは金を賭けて志願者を買うことにして、毎年八月の朝、ひとりの少女を蛇の穴へ
供えると、蛇は生きながらにかれらを呑んでしまった。 こうして、九年のあいだに九....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
なければ、仏の姿を拝むことは出来ない」 集まっている男女はあらそって百余万銭を
供えると、彼はさきに埋めたところを掘り起して、一体の仏像を示した。その噂が四方に....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
、冬の暁に墓所の門を浄めるのであろう。彼は広瀬川の水を汲んで、夏の日に霊前の花を
供えるのであろう。こうして一生を送るのである。彼に取ってはこれが人間一生の務めで....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
そこで村の者どもとも相談して、黒太夫の一手でかの木馬を新しく作って、龍神の社前に
供えるということになりました。しかしその頃の奥州にはとてもそれだけの彫刻師はいな....
「夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
お供物だと血迷っての、犬の首、猫の頭、目を剥き、髯を動かし、舌をべらべら吐く奴を
供えるわ。胡瓜ならば日野川の河童が噛ろう、もっての外な、汚穢うて汚穢うて、お腰元....
「縷紅新草」より 著者:泉鏡花
おかしくない、大空の雲を淡く透して蒼白い。 「……さて、これだが、手向けるとか、
供えるとか、お米坊のいう――誰かさんは――」 「ええ、そうなの。」 と、小菊と....
「阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
。一人の女があればこそだ。子が断え孫が断えてしまったら、死んだあとで一碗の御飯を
供える者がない。……一人の女があればこそだ」 一体「不孝には三つの種類があって....
「西瓜」より 著者:岡本綺堂
江戸の勝手も方角もまだよく判らない。きょうは主人の言いつけで、湯島の親類へ七夕に
供える西瓜を持ってゆく途中、道をあやまって御徒町の方角へ迷い込んで来たものである....
「仲々死なぬ彼奴」より 著者:海野十三
た。何処からとりよせたか、果物の王様といわれるマンゴーの生々したのを老人の枕頭に
供えるものもあった。日頃|健啖な大熊老人は、それ等の届けものの食料品を、とに角|....
「青蛙神」より 著者:岡本綺堂
はい。判りました。わかりました。 (李は月を祭りし酒と肉を持ち来りて、青蛙の前に
供える。柳はやはり不安らしく眺めている。) 李中行 これで宜しいのですか。 旅の....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
のようですわね。」 「お燈明。」 「ええ、ねえ、ごらんなさい、この松には女の乳を
供えるんです。」 「飛んでもない、あなたの乳なぞ。……妬ける、妬けます。」 と....
「影」より 著者:岡本綺堂
十三夜ですよ。(思い出したように笑う。)眼の前に薄は沢山|生えていながら、今夜は
供えるのを忘れてしまった。 旅人 十三夜ですか。(考える。)先月の十五夜は……....