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「供え物〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

供え物の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
五郎|胡蝶《こちょう》物狂いの図と、彫り書きの見える一枚刷りの大にしき絵の前に、供え物のごとくに置かれてあるのです。 「あけてみろ」 命令とともに、伝六がおそ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
、三の亭主が答えた。 「それじゃあ、わたしも早くお参りをして、お神酒《みき》とお供え物をあげて来ましょう」 女房は帯をしめ直して、表へ出る支度に取りかかった。....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
もあるというので、恐れられたり忌がられたりするのです。しかしその狐にはいろいろの供え物をしなければならないので、狐使いは一生貧乏すると云い伝えられました。 お....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
お請けをしましたが、元来この造り物は、江戸の講中からの奉納ではなく、京都の講中の供え物でした。その前年、即ち文化八年の春、大阪西の宮で四十八年目の開帳があった時....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
りみや》が出来ました。その晩には仮宮の前へ、誰がするともなく、おびただしい鏡餅の供え物です。紙に包んだ金何疋のお初穂《はつほ》が山のように積まれました。 多分....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
るわけではないのに、花卉木草《かきもくそう》を植え込んだ次に、手でするさまざまの供え物が集まって来るのが不思議でした。 例えば真白い木綿達磨《もめんだるま》、....
夜長姫と耳男」より 著者:坂口安吾
のうちには、山上の長者の邸の門前へきてぬかずいて拝んで帰る者もあったし、門前へお供え物を置いて行く者もあった。 ヒメはお供え物のカブや菜ッ葉をオレに示して、言....
故郷」より 著者:井上紅梅
廻って来る家の大祭の年に当り、祭は鄭重を極め、正月中掲げられた影像の前には多くの供え物をなし、祭器の撰択が八釜しく行われ、参詣人が雑沓するので泥棒の用心をしなけ....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
うちには終らなければならないものであるから、精一パイ準備しても、参会者の頭数やお供え物を差引くと、あとには白木のバラックと賃借りの幕が残るぐらいのものだ。 喜....
生活と一枚の宗教」より 著者:倉田百三
るものの命はなべて供へ物 わが身一つを惜しまめやゆめ その魚の命はみな供え物である。大きな宇宙のための、みなが生きるための供え物である。それは魚だけで....
ヤトラカン・サミ博士の椅子」より 著者:牧逸馬
の背中には、鍋《なべ》、マッチ、米の袋、罐入《かんい》りのカレー粉などが、神式の供え物かなんぞのように、いつも大げさに揺れていた。これらが、そして、これらだけが....
青蛙神」より 著者:岡本綺堂
、屹とね。 高田 むむ。(空をみる。)今夜は好い月が出そうだ。 阿香 お月様にお供え物をして待っていますよ。 (高田はうなずいて、下のかたへ引返して去る。阿香は....
」より 著者:正岡子規
のれが飢える飢えぬの境に至って墓場の鴉に忠義だてするにも及ぶまい。花はとにかく、供え物を取るのは決して無理ではない。西洋の公園でも花だから誰も取らずに置くがもし....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
解きにくかった。やっと解いてから、木の階段を上った。 烏帽子姿の神官が、神前の供え物を、その白木の三宝を一つ一つに片づけていた。 奥殿へ通ずる扉を、それから....
日本の伝説」より 著者:柳田国男
の沼があり、そこの魚類も皆片目であったそうです。昔このお社の春秋の祭りに、魚のお供え物をしたお加持の池の跡だからといっておりました。四十年ほど前に田に開いてしま....