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「供物〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

供物の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
との出来る友人のないことを聞かされる)はそこから生れ出る。男性は女性からのこの提供物を受取ったことによって、又自分自らを罰せなければならなかった。彼は先ず自分の....
眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
すから私……ちょいと御挨拶に出ました時、こういうおたずねでございます――お社へお供物にきざ柿と楊枝とを買いました、……石段下のそこの小店のお媼さんの話ですが、山....
夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
何の禁厭か知れぬまで、鉄釘、鉄火箸、錆刀や、破鍋の尻まで持込むわ。まだしもよ。お供物だと血迷っての、犬の首、猫の頭、目を剥き、髯を動かし、舌をべらべら吐く奴を供....
伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
うか。 あの、雪を束ねた白いものの、壇の上にひれ伏した、あわれな状は、月を祭る供物に似て、非ず、旱魃の鬼一口の犠牲である。 ヒイと声を揚げて弟子が二人、幕の....
小春の狐」より 著者:泉鏡花
った。 「憂慮をさっしゃるな。割いて爺の口に啖おうではない。――これは稲荷殿へお供物に献ずるじゃ。お目に掛けましての上は、水に放すわいやい。」 と寄せた杖が肩....
灯明之巻」より 著者:泉鏡花
見ようとして、御廚子に寄せた目に、ふと卯の花の白い奥に、ものを忍ばすようにして、供物をした、二つ折の懐紙を視た。備えたのはビスケットである。これはいささか稚気を....
開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
をかけたが、 「……実は、夜食をとりはぐって、こっちも腹がすいて堪らない。堂にお供物の赤飯でもありはしないか、とそう思って覗いて、お前を見たんだ、女じゃ食われな....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
も心から嬉しうございました。まして当人はよほど有難かったらしく、早速さまざまのお供物を携えてお礼にまいったばかりでなく、その後も終生私の許へ参拝を欠かさないので....
多神教」より 著者:泉鏡花
…(寂く微笑む)あの、小母さんがね、ほんの心ばかりの御褒美をあげましょう。一度お供物にしたのですよ。さあ、お菓子。 小児ら、居分れて、しげしげ瞻る。 お沢 さあ....
白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
、おでんの盆を、どういうものか、もう一度彦七がわざとやけに引取って、 「飛んだお供物、狒々にしやがる。若奥様は聞いただけでも、禿祠で犠牲を取ったようだ。……黒門....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
の像は、浪を開いた大魚に乗った立像だそうです。 寺は日蓮宗です。ですが、女神の供物は精進ではない。その折の蓑にちなんだのが、ばらみの、横みの、鬢みの、髢の類、....
式部小路」より 著者:泉鏡花
気は凝って寂としたから、その柿と、梨と、こつこつと積んだのが、今通る娘のために、供物した趣があったのである。 通りかかりに見て過ぎた。娘の姿は、次第に橋を距っ....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
、振っても敲いても媽々は出ねえ。本来なら龕に納めて、高い処に奉って、三度三度、お供物を取換えて、日に一度だけ扉を開いて拝んでいなけりゃ罰が当ら。…… 処を……....
妖怪玄談」より 著者:井上円了
え、あるいは蓋を火に暖めなどするは、みな予期意向を導くものに過ぎず。別して酒肴、供物をそなえ、音曲、踏舞をなし、崇敬者一人その傍らに立ちて崇敬の状を呈し、その仲....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
これを見るに、会場にはその宗の信徒と他宗よりの来観者はその席をわかち、酒とパンの供物は来観者に配与せず、賽銭も来観者より集めざるなり。 英国なる新教中、メソジ....