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侵
「侵〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
侵の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
の胸に横たえられた葉子の顔は、綿入れと襦袢《じゅばん》とを通して倉地の胸を暖かく
侵すほど熱していた。倉地の目も珍しく曇っていた。そうして泣き入る葉子を大事そうに....
「小さき者へ」より 著者:有島武郎
ぐんぐん悪い方へ向いて行った。そしてお前たちの中の一人も突然原因の解らない高熱に
侵された。その病気の事を私は母上に知らせるのに忍びなかった。病児は病児で私を暫く....
「星座」より 著者:有島武郎
えだしてしまっていた。自分だけに向って送ってよこす女の笑顔、自分と女とのほかには
侵入者のない部屋、すべてを忘れさす酒、その香い、化粧の香い……そしてそれらのすべ....
「初めて見たる小樽」より 著者:石川啄木
して、我と我が天地を造らむとする人は、勢いまず奮闘《ふんとう》の態度を採《と》り
侵略の行動に出なければならぬ。四囲の抑制ようやく烈しきにしたがってはついにこれに....
「弓町より」より 著者:石川啄木
してその時は、私が詩作上に慣用した空想化の手続が、私のあらゆることに対する態度を
侵していた時であった。空想化することなしには何事も考えられぬようになっていた。 ....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
物をも見ない。私は乗り越え乗り越え、自分の力に押され押されて未見の境界へと険難を
侵して進む。そして如何なる生命の威脅にもおびえまいとする。その時傷の痛みは私に或....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
る津波によって惹起されたもので、この津波がペルシア湾からメソポタミアの低地の上を
侵入していったものであろうと考えた。 リイム(I. Riem)は種々な民族の大....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
のは、モルトケ大将が、シュリーフェン元帥の計画では重大条件であったオランダの中立
侵犯を断念したことが、最も有力な原因となっているものと私は確信いたします。ザール....
「新日本の進路」より 著者:石原莞爾
たことが誤解の原因と想像されるが、「最終戰論」は、これを虚心に見るならば、斷じて
侵略主義的、帝國主義的見解にあらず、最高の道義にもとづく眞の平和的理想を内包して....
「土俗玩具の話」より 著者:淡島寒月
ことは惜みても余りあることである。 三 都会的趣味は、一面地方を
侵害しては行くが、物価の高い都会生活では、到底製作出来ぬようなものを、比較的生活....
「初雪」より 著者:秋田滋
* * 病気ははかばかしく快方に向わなかった。深く
侵された両の肺は、どうやら彼女の生命を脅かすようになって来た。 「このままここに....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
をしばりつけ、鎧戸には心張棒がかってあった。したがって、泥棒はまったくやすやすと
侵入できるとしても、出るときにはいささか困惑するにちがいない。おそらくこの思いつ....
「浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
遠くドイツ、イタリアと軍事同盟を結び中国ならびに東南アジア諸国に背を向け、軍事的
侵入を試み帝国主義的発展をなしたところに大失敗があったといわなければならないと思....
「私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
かってきたので、会場は一大修羅場と化した。また校外より「縦横クラブ」一派の壮士も
侵入し、打つ、ける、なぐるの乱暴の限りをつくした。この間、暴力学生側では糞尿を入....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
を来たし逐次、横隊戦術に近似するに至れり。欧州大戦初期に於けるドイツ軍のフランス
侵入方法は、ロイテン会戦指導原理と相通ずるものあり。欧州大戦に於て敵翼包囲不可能....