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便する
「便する〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
便するの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「夫婦善哉」より 著者:織田作之助
戸の実費医院《じっぴ》へ通い通いしていたが、こんどは尿《にょう》に血がまじって小
便するのにたっぷり二十分かかるなど、人にも言えなかった。前に怪《あや》しい病気に....
「ヰタ・セクスアリス」より 著者:森鴎外
《みおうせい》という主人公が、自分の或る体の部分が小さいようだというので、人の小
便するのを覗《のぞ》いて歩くことが書いてある。僕もその頃人が往来ばたで小便をして....
「道標」より 著者:宮本百合子
グラスそのものは、伸子たちにとって、なくなって大して惜しいものでもなかったし、不
便する品ものでもなかった。けれども、あの子供は、ほんとにただオペラ・グラスが珍し....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
二四〇巻には秦の恵王蜀を伐たんとて石の牛五頭を作り、毎朝金をその後に落し牛が金を
便するという、蜀人悦んでこれを乞い迎え入れた、その時作った石牛道、すなわち剣閣道....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
二ある。猪が浄処を喜ばぬとは、好んで汚泥濁水中に居るからで、陶穀の『清異録』に小
便する器を夜瀦《やちょ》という、『唐人文集』に見ゆと記す。溜り水を瀦というも豕が....
「詩の原理」より 著者:萩原朔太郎
論理や、或は我が国等によく見る道徳処世の教訓歌、学生が地理歴史の諳記《あんき》に
便する和歌等のものである。これ等の文字は、確にだれがみても異存のない、文字通りの....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
も、凡てが中国沿岸から、九州方面へ通航するばかりで、四国路は多度津の金比羅詣りに
便する外どこへも寄らない。従ってわが郷里の三津の浜へは無論寄らないのだが、特に頼....
「東山時代における一縉紳の生活」より 著者:原勝郎
在ったらしいが、東南の角だけは、後に埋め立てられて築山になった。これは多分物見に
便するためであったろう。家屋は宅地の中心より少々西に偏しており、庭はその東方にあ....
「霊感」より 著者:豊島与志雄
、言われてみれば、なるほど、そこの板塀の外が道路になっていて、夜分になると、立小
便する人が多い、とのことでした。 そこがだめだとなると、ほかにもう適当な場所は....
「わが戦争に対処せる工夫の数々」より 著者:坂口安吾
頃では立小便は罰金をとられるけれども、あの当時は、焼け残つた家の便所で尤らしく小
便するのが奇怪なほどで、遊びにきた人に、オイ/\、君、外へ行かなくつても家の中に....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
その習性とは何ぞや、と云えば、チャチな日本犬が電信柱や木の根ッ子にムヤミに小
便するように、この図体の大きな熊の親類のような奴が、やっぱり電信柱や木の根ッ子に....
「黒い手帳」より 著者:久生十蘭
の紙屑が堆積し、壁にはいたるところに数字と公式が落書してあった。床の上で自在に用
便するとみえ、こんもりと盛りあがった固形物が紙屑のあいだに隠見していた。 長椅....
「日記」より 著者:宮本百合子
かわからず。事務所によって見ると、彼方此方の建築敷地にひなん民が入りこみ、溝に用
便するため臭気堪え難し。地下室にやけ出された所員ローソクで何かして居た。電車は六....
「学問のすすめ」より 著者:福沢諭吉
りて便利なるべき法をも守らずして、ついには罪を蒙ることあり。 譬えば今往来に小
便するは政府の禁制なり。しかるに人民みなこの禁令の貴きを知らずしてただ邏卒《らそ....
「随筆 私本太平記」より 著者:吉川英治
が「ここの峠は、今ちゃん(日出海氏)が銀座から深夜帰る途中、きっと車から降りて小
便する所です」と名所案内みたいなことをいう。そこで、小生も車を降りてどんなものか....