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「便宜主義〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

便宜主義の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
党生活者」より 著者:小林多喜二
単に誰々がメンバーであるという慣《な》れあいによって仕事をして行こうとする危険な便宜主義に気付いたからだった。 工場の帰りに私は須山と伊藤ヨシと一緒になり、緊....
縮図」より 著者:徳田秋声
のなかの現実に触れた時、勝手がまるで違ったように、上官や同僚がすべて虚偽と諂諛の便宜主義者のように見えて仕方がなかった。しかしそっちこっち転々してみて、前後左右....
惜別」より 著者:太宰治
行かずともすぐ近くの日本国で学んだほうが安直に西洋の文明を吸収できるという一時の便宜主義から日本留学を勧奨していた、といっても過言では無かろうと思う。当時、日本....
プロ文学の中間報告」より 著者:宮本百合子
いというものがなければならないはずなのである。そして、これらのすべてのぼやけた、便宜主義的なものは、読者も作家も等しく今日の大衆として置かれている低さからあらわ....
「下じき」の問題」より 著者:宮本百合子
。 この経験は、民主的な立場をもつ文学者でも、その思想を行動しようとするとき、便宜主義に支配されたということを教えていると思う。提供すべき責任のあるのは真の話....
女性の歴史の七十四年」より 著者:宮本百合子
思う。そして、ある場合には、婦人の真の政治的な成熟のために、いたずらに画一的な、便宜主義の、判断のない、投票の数をかき集め式な目的をもつ婦人の政治的参加に対して....
科学論」より 著者:戸坂潤
一般観念として、カントの構成主義、直覚明証説(デカルトやE・フッセルル)、社会的便宜主義(プラグマチズムやマッハ的思惟経済説やボグダーノフ主義)、M・ハイデッガ....
認識論とは何か」より 著者:戸坂潤
ることは、認識を理論や何かに限定することだが、これは知情意というような心理学上の便宜主義の区別と、同時に能力心理学の伝説を借用することなのであって、勿論批判に耐....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
何という愚劣なものでしょう。 私があんまり緻密な頭でなくて、時々スリップして、便宜主義になるときがあるから、きっといつも危かしい足どりにお見えになるのでしょう....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
際は、死にかかってる社会の遺物によって生活しようとしか考えていなかった。近視的な便宜主義が享楽的な虚無主義に仕えていた。未来の大利害は現在の利己主義にささげられ....
戦争責任者の問題」より 著者:伊丹万作
は、あらかじめ最初から断念され、放棄されているのであつて、残されているのは一種の便宜主義による解決だけだと思う。便宜主義による解決の最も典型的な行き方は、人間に....
あるニュウ・フェイスへの手紙」より 著者:岸田国士
題は、たしかに現代日本語の急所です。なんとかしなくてはなりません。ただ、これも、便宜主義的な制限規定のようなものを作ってもしかたがない。要するに、現代生活に秩序....
嘘の効用」より 著者:末弘厳太郎
りました。その以前には明らかな規定がなかったにかかわらず、学者の多数はいわゆる「便宜主義」(〔Opportunita:tsprinzip〕)と称して、犯罪を起訴....
日記」より 著者:宮本百合子
流れる人類の運命の全延長を直視して居られるだろう。 自分の裡に、多分の曖昧さ、便宜主義の種があるのを知って居る自分は、一生のどこかに、大きな大きな地獄の門が口....
如何に読書すべきか」より 著者:三木清
飜訳の方が簡単であるからというので原語で読むことを避けようとするのは読書における便宜主義であって、便宜主義は読書においても有害である。 善い本を読まねばならぬ....