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「係って〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

係っての前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
食魔」より 著者:岡本かの子
った。世間からは傲慢一方の人間に、また自分たち家族に対しては暴君の良人が、食物に係っているときだけ、温順しく無邪気で子供のようでもある。何となくいじらしい気持が....
菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
お役に立とうから召抱えて宜かろうとの御意がござりましたので、山川は早速作左衞門へ係ってまいりました。其の頃は御領主さまのお抱えと云っては有難がったもので、作左衞....
霜凍る宵」より 著者:近松秋江
思い起すようにしてみた。そして、その真偽いかんに彼女自身のいうことの真偽いかんが係っていると思った。越前屋の主人は、 「さあ、そんな以前のことは、私も、どや、よ....
計略二重戦」より 著者:甲賀三郎
ら重々しく云いました。 「本官は貴官に重大な命令を与える。事の成否は帝国の安危に係っている。仁科少佐は、天皇陛下並に日本帝国の為、万難を排し、身命を抛って任務を....
野ざらし」より 著者:豊島与志雄
」 禎輔は彼の眼の中をじっと見入った。 「僕と君のお母さんとの関係さ。」 「関係って……。」 その時昌作は、今迄嘗て感じたことのない一種妙な気持を覚えたので....
香奠」より 著者:豊島与志雄
だ一度きりなんです。」 「そして一体君達の間の関係はどうなってるんだい。」 「関係って何にもありゃあしません。それだけのことなんです。」 「だって可笑しいじゃな....
吹雪のユンクフラウ」より 著者:野上豊一郎
ルプスの山々が刻一刻と近づいて、線路の屈曲と共にその山容を変えることの珍らしさに係っている。 ベルンを離れて三十分もたつかたたない頃、ミュンシンゲンあたりで、....
前記天満焼」より 著者:国枝史郎
もあるだろう。加賀屋源右衛門へ渡す迄は、保存の責任が俺にある。つまらない連中に関係って、もしものことがあろうものなら、使命を全うすることが出来ぬ。……そうだ、あ....
塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
って今じゃア女房にしている訳だが、これを表向にするならおしなせえ、伊勢崎の銭屋へ係って調べの縒を戻せば、お気の毒だがお前達の腰に縄が付くべいという考えだ、それで....
二・二六事件に就て」より 著者:河合栄治郎
起これる妖雲によって、暫くは閉ざされようとも、吾々の前途の希望は依然として彼処に係っている。 此の時に当たり往々にして知識階級の囁くを聞く、此の〈暴〉力の前に....
荘子」より 著者:岡本かの子
い沁みた。いやな世の中だ。ただただいやな世の中だ、と思えた。 しかし麗姫の事に係って来ると、荘子のこころは自然と緊張して来る。彼は隠遁生活の前、洛邑に棲んで居....
勝ずば」より 著者:岡本かの子
、息もつけない洞窟の中に転落して行く――そういうような夢を度々見た。政枝が一方に係ってる華岡医師への乙女の嬌羞を突然脱ぎ捨てて、病気快方の福音を医師から聞き取ろ....
空中征服」より 著者:賀川豊彦
いる人々だけあって、みな市役所のお台所の整理がうまい。会計課へは銀行の女事務員が係ってくれた。教育課には女教員諸君が、庶務には逓信管理局の女事務員が、衛生課には....
耳香水」より 著者:大倉燁子
の顔を見ると忽ち逃げ出して行っちまったような薄情男、人間じゃないわ。こんな人に関係っていたら、この先どんな恥を掻されるか知れやしない』 女の権幕に怖れたのでし....
黒板は何処から来たのか」より 著者:小倉金之助
、必ずしもそうではない。問題はむしろ、主として私たち自らの理論・分析の力の強弱に係っているのである。 (一九四七年五月三日稿同年「別冊文芸春秋」一〇月号) *〔....