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俗っぽい
「俗っぽい〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
俗っぽいの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
るその汽車に乗って、 「途中熱海で降りるとしても、宿賃は向う持ちだ」 と、存外
俗っぽい、しかし、それが持ちまえのチャッカリしたやに下り方をしていたとはいうもの....
「彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
た。ところが今僕の前に現われた彼女は、ただ勝気に充ちただけの、世間にありふれた、
俗っぽい婦人としか見えなかった。僕は心を動かすところなく、彼女の涙の間からいかな....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
ようになってから、今まで附き合っていた株屋とか、問屋の旦那とかいった種類の男が、
俗っぽいものに見え、花柳趣味の愛好者である彼らを飽き足りなく思っていた。出入りの....
「油絵新技法」より 著者:小出楢重
物写真の美人を切り抜いて貼りつけてあるものがある。そして風景だけは描かれている。
俗っぽいものだがその考案に愛矯が持てる。 支那国産的な画風を持つものに私はもっ....
「キュリー夫人の命の焔」より 著者:宮本百合子
を、これから安楽な奥さん生活を営むためにより有利な条件として利用しようとでもする
俗っぽい性根であったなら、決してピエール・キュリーのような天才的な、創意にみちた....
「フランダースの犬」より 著者:菊池寛
の都には、古代石造建築の名残りが、たくさん残っています。今はもうアントワープは、
俗っぽい商業地になってしまいましたけれど、それでも、尊いお寺やお社が、昔の名残り....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
いと思います。〔中略〕
私はこの前の前の手紙(二十二日)で、自分のよい勝気さと
俗っぽいものとの混り合いについての反省にふれていたと思います。勝気というもののあ....
「山吹の花」より 著者:豊島与志雄
婚なすってしまいました。まあ世間にはよくあることですが、それだけにまた。ずいぶん
俗っぽい話ですわ。 H女――久子さん、面白いことを聞かしてあげましょうか。あな....
「犬を連れた奥さん」より 著者:神西清
うことを、はっきり覚ったのだった。田舎者の群のなかに紛れ込んでいるこの小さな女、
俗っぽい柄付眼鏡かなんかを両手にもてあそんでさっぱり見映えのしないこの女、それが....
「暗号数字」より 著者:海野十三
趣味から割りだしたおしゃれの服装をしていたんじゃ、魚がみな逃げてしまう」 と、
俗っぽい服装の弁を一くさりやった。 そこで僕は、彼がちかごろ取扱った探偵事件の....
「真珠の首飾り」より 著者:神西清
、――トゥルゲーネフの小説に出てくる立派な女たちは、選りに選ってみんな、すこぶる
俗っぽい両親を持っているじゃありませんか。」 「いや、僕の言うのはそんな事じゃな....
「江戸川乱歩」より 著者:平林初之輔
は稀に見る情熱家で、凝り性であるらしい。 人間は、どちらかといえば上方人通有の
俗っぽい方で、案外、野心もあれば、稚気もあり、功名心ももっているようだ。一頃は探....
「ワーニャ伯父さん」より 著者:神西清
たら、君と僕と、たった二人しきゃいなかったものだ。ところがどうだ、この十年ほどの
俗っぽい下劣な生活のおかげで、まんまとわれわれも、泥んこの中へ引きずり込まれてし....
「はつ恋」より 著者:神西清
の時母が父に物語った言葉によると、あのザセーキナという公爵夫人は、どうも|ひどく
俗っぽい女らしく思われる。あの夫人は、どうぞ自分のためにセルギイ公爵に運動してく....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
大観観山等の極めて親しいパトロンだそうである。飄逸な反り型の赤ら顔だが、どこかに
俗っぽい。好きで酔うと贅六句調で、変な唄ばかり歌う。A博士は電気学者で京都の大学....