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俗事
「俗事〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
俗事の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「人間失格」より 著者:太宰治
感じて来て、あのカフエのお勘定を、あの時、全部ツネ子の負担にさせてしまったという
俗事さえ、次第に気になりはじめて、ツネ子もやはり、下宿の娘や、あの女子高等師範と....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
目次 第一章 人情の碗 茶は日常生活の
俗事の中に美を崇拝する一種の審美的宗教すなわち茶道の域に達す――茶道は社会の上下....
「芥川の事ども」より 著者:菊池寛
客員となった頃から、いよいよ親しく往来したと思う。最近一、二年は、自分がいよいよ
俗事にたずさわり、多忙なので月に一度くらいしか会わなかった。最近もっとも親しく往....
「金銭無情」より 著者:坂口安吾
さい。美酒を一パイ差上げませう。こゝの先生は深き瞑想の散歩にでられたから、今日は
俗事はおやりにならないでせう」 「アレ、御手シャクは恐れ入りますワヨ」 「アレ気....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
命ぜられた献金を調達することができなかったという事実があるにしても、決して俗世の
俗事をそのまま述べたてて告発の理由とするようなことは致しません。誰を告発するにも....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
る言葉を科学者の注意深さで、熱心に耳にとめ、心にとめようと努力していた。けれども
俗事は陰険で表裏が非科学的に複雑であるから、いくら注意深くても、世事にうとい科学....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
久五郎ハマ子の侘び住居を訪れた。世捨人だから言うまでもなく日記もつけていないし、
俗事について多く語ることも好まない。何をきいても手応えがなくて手こずった。小花か....
「雪の宿り」より 著者:神西清
とは申せまだまだお壮んな頃で、かねがね五山の学衆の、或いは風流韻事にながれ或いは
俗事|政柄にはしって、学道をおろそかにする風のあるのを痛くお嘆き遊ばされて、日ご....
「二十一」より 著者:坂口安吾
を気にかけなかった。兄貴はボートとラグビーとバスケットボールの外には余念がなく、
俗事を念頭に置かぬこと青道心の僕以上で、引越すと、その日の晩には床の間の床板に遠....
「縁談」より 著者:佐藤垢石
水物というから――』 『頼む』 五 こう私は引き受けたけれど、その後
俗事が忙しかったので、房州へ出向くことができないから手紙で往復して写真交換という....
「あゝ二十年」より 著者:上村松園
います。 もっともその間には、幾度か焼炭をあて、下図をつくりましたが、そのつど
俗事と俗情に妨げられまして、どうしても素志貫徹にいたらず、まことに残念に存じてい....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
年を過ぎた官報局時代であって幼時及び青年期を知らず、更に加うるに晩年期には互いに
俗事に累わされて往来|漸く疎く、臂を把って深く語るの機会を多く持たなかったから、....
「平ヶ岳登攀記」より 著者:高頭仁兵衛
はヒラダケと呼ぶのやら、またはタイラダケと称するのやも知らなかった。 それから
俗事に妨げられて二、三年を過ぎた、間もなく山岳会が設立された、自分は二度ほどこの....
「小生のあけくれ」より 著者:北大路魯山人
をとっていない。また小生の日常のように栄養を摂っていない。そして碌でもない平凡な
俗事に頭を煩わすことが多過ぎる。美しずくめばかりを狙っている小生の生活とは、どう....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
に、
下界の快楽を飛び越して来たものだ。
これから己が先生を乱暴な生活、
平凡な
俗事の中へ連れ込んで引き擦り廻し、
もがかせて、放さずに、こびり附かせて、
※く....