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俗歌
「俗歌〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
俗歌の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「明暗」より 著者:夏目漱石
《そそ》った。
「……へ行くなら着て行かしゃんせ。シッシッシ」
洗濯屋の男は、
俗歌を唄《うた》いながら、区切《くぎり》区切へシッシッシという言葉を入れた。それ....
「春の鳥」より 著者:国木田独歩
ら、六蔵が歌など知っているはずもなさそうですが、知っています。木拾いの歌うような
俗歌をそらんじて、おりおり低い声でやっています。 ある日私は一人で城山に登りま....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
水掻きのようなものがついている。それが、何らの興味もなさそうにしずかに仏蘭西語の
俗歌をうたっていた。それは私も彼女も、当分食慾に支障をきたしたほどの眺めだった。....
「遺言」より 著者:国木田独歩
か常は汁椀に使用されているやつで、グイグイあおりながら、ある者は月琴を取り出して
俗歌の曲を唄いかつ弾き、ある者は四竹でアメリカマーチの調子に浮かれ、ある者は悲壮....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
てゆきたがる。」 ただ彼らは、その俗謡を高尚ならしめようとつとめていた。彼らは
俗歌を取り上げて、ソルボンヌ大学の論文みたいに堂々たる交響曲《シンフォニー》の主....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
の主人も歌を歌ってるのが毎日聞こえた。彼は口笛を吹いたり、古靴の底をたたいたり、
俗歌や革命歌を嗄《しわが》れた大声で歌ったり、通りかかる近所の女どもを窓越しに呼....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
をあわせ用い、デ・プロフォンディスからシアンリまで(訳者注 荘重な聖歌から卑しい
俗歌まで)あらゆる調子を口ずさみ、求めずして見いだし、知らないことをも知り、すり....
「わが寄席青春録」より 著者:正岡容
多々といた万橘三好、鯉《り》かん、勝次郎、枝太郎、歌六などの音曲師のうたう市井の
俗歌を耳にすると、いっそうホロホロとさびしくなった。ましてそこの寄席に、美貌なる....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
たすたと、先を歩いて行きながら、そこらの木の葉を※って、木の葉笛を吹いてみたり、
俗歌を唄ってみたり、石を蹴ってみたり、なにか遣場のない気持を抱いているらしいので....
「三国志」より 著者:吉川英治
して鉢を叩きながら、その客達がうたうのを聞けば―― |莫婦 |止 これをもっと
俗歌的にくだいて、おまけにこの辺の田舎|訛りを加え、 嫁えらみも、たいがいに 孔....
「随筆 宮本武蔵」より 著者:吉川英治
かに心にかなひ侍り此書を武蔵野と号 と、誌して、当時の江戸で唄われていたらしい
俗歌から題名を取ったわけを誌している。内容は、柳生流三学から説いて、自己の見解と....
「木綿以前の事」より 著者:柳田国男
いて特に穀の木を栽培していた例である。『千載集』の神祇部に、久寿二年の大嘗会の風
俗歌に、悠紀方として詠進した歌は、近江の木綿園を地名として詠じている。是などもま....